1.8MHz~50MHz HFJ-350MのSWRを計測してみる
2026年09月12日

HFJ-350M と 1.8MHzの拡張コイル(最上)
ベースローディングタイプの1/4λ移動用ロッドアンテナ
3.5MHzから50MHz(1.9MHzと144MHzはオプション)
ハイバンドは車のボディーアース(MAT50 1枚)で使えるが
10MHz以下のローバンドはMAT50 1枚ではSWRが落ちないので
地面にカウンターポイズを張って実験した
COMETのHFJ-350Mは1.8MHz~50MHzにQRVできるマルチバンドの1/4λ移動用ベースローディング・ロッドアンテナです。本体は7MHzからとなっており、3.5MHzは追加コイルが付属しています。1.8MHzは拡張コイルがオプションになっています。144MHz用のコイルもあるようです。バンド切り替えはコイル部のソケットにショートワイヤーを挿入する方法です。1/4λなのでアースが必要です。
非常に短いアンテナで、拡張コイルを付けても、「エッ、これで1.8MHzに出られるの!」というくらい小型です。今回はこのHFJ-350Mを当局の移動スタイルでSWRを計測してみました。
当局の場合、HF主体の移動運用は車を利用するのが基本になっています。その車にはキャリアを取り付けていないので、マグネットベースの基台を使っています。このためアースはマグネットアースのMAT-50を使用して、ボディーに静電容量結合させています。今回の計測では、ハイバンドはこれでよかったのですが、ローバンド(10MHz以下)は思わしくないので、地面すれすれ + カウンターポイズ型としました。
車載 マグネットベース + MAT-50 1枚の場合
当局にはMAT-50が1枚しかありません。この1枚のMAT-50でHFJ-350Mが使えるでしょうか。とりあえずnanoVNAでSWRを計測してみたところ、
7.020MHz 2.19
10.100MHz 2.25
14.060MHz 1.22
18.100MHz 1.61
21.120MHz 1.24
28.100MHz 1.20
50.200MHz 1.25
となりました。エレメント長は記録しませんでしたがnanoVNAの画面を見ながら簡単に合わせることができます。(エレメントはなるべく先端の細い部分から伸縮させるようにと説明書にはあります) この結果から10MHzより下のローバンドは使い物になりません。これはあくまでもMAT-50 1枚の場合ですので、2枚、3枚と増やせば、また変わってくるものと思います。
地面すれすれ + 5m カウンターポイズ4本を四方展開した場合

HFJ-350Mに3.5MHzと1.9MHzのコイルを追加し、1.8MHzのSWRを計測中
つぎにボディーアースをあきらめ、地面すれすれでカウンターポイズを這わせるタイプで試みました。三脚を大開きにして地面すれすれに給電点を持ってきます。カウンターポイズは5mを4本四方に展開しました。この状態で上のバンドも含めて計測してみました。
1.810MHz 1.32
3.520MHz 1.24
7.020MHz 1.87
10.100MHz 1.87
14.060MHz 1.10
18.100MHz 1.12
21.120MHz 1.04
28.100MHz 1.45
50.200MHz 1.10
地面すれすれでは1.8MHzと3.5MHzにQRVできますが、7MHzと10MHzは成績不良です。これはカウンターポイズの長さや本数を加減して調整すれば落とし込めるかもしれません。
地面すれすれ + カウンターポイズ10m 1本、10m 2本の場合
カウンターポイズを5mに切る前に10m 1本、10m 2本で試してみました。
10m x1 10m x2
1.910MHz 1.62 1.38
3.512MHz 1.29 1.14
7.020MHz 2.14 1.99
10.100MHz 1.38 1.21
14.060MHz 1.25 1.11
18.100MHz 1.18 1.12
21.120MHz 1.08 1.31
28.100MHz 1.10 1.29
これを見るとカウンターポイズは4本展開しなくても10m 1本でも十分なような気がします。ただし7MHzは相変わらずSWRが下がってくれません。

三脚の脚を開いて地面すれすれに立てる
カウンターポイズは5mを四方に展開
三脚はBelcomのVEF-3
SWRの計測はnanoVNA使用
まとめ

以上、車載でMAT50 1枚の場合と、地面すれすれでカウンターポイズを5m 4本、10m 1本、10m 2本のSWRを計測してみました。
14MHz以上のハイバンドでは車にマグネットベースで取り付け、MAT50でアースをとれば、簡単にSWRが落ちるので手軽に運用できますが、10MHz以下のローバンドではそうはいきません。そこで今回ローバンドは地面すれすれでカウンターポイズを展開する形でも試しました。(車載のままMAT50を増やすか、カウンターポイズを展開すれば、車載でもQRVできるかも知れませんが)
上記グラフにまとめてみましたが、これを見るとハイバンドは車載のMAT501枚でOK。10MHz以下のローバンドは車載では無理なので地面すれすれ方式の採用となりますが、その際のカウンターポイズは10m 1本でも十分で、必ずしも四方に展開しなくてもよいようです。今回7MHzだけ成績不良となりましたが、現実問題として7MHzだけのためにカウンターポイズをいじるのも面倒です。そこはアンテナチューナで落とし込めばよいかと思います。
なお、SWRはアンテナの傍の人体に影響されますので、1m以上離れて計測したほうがよいようです。この手のアンテナはSWRが良好な帯域が狭いのが難点です。
144MHzのオプションについては、所有していないので計測していません。
おまけ 手動アンテナチューナ CAT-10で落としてみる
地面すれすれにカウンターポイズ5mを4本四方展開した状態で、手動アンテナチューナ CAT-10を使ってローバンドのSWRを落とし込んでみました。
1.910MHz 1.01
3.510MHz 1.11
7.020MHz 1.04
10.100MHz 1.05
今回はなのVNAでSWRを計測しましたが、nanoVNAでSWRの最低点を見つけたとしても、最終的には運用する無線機でパワーを出しながらSWRメーターを見て調整することをお勧めします。
(JF1VRR)

