簡易ステップ・アッテネータの性能をAPB-3でチェック

投稿日 2014/07/03

​大昔ですがCQ出版の「高周波回路の設計・製作」1992年10月初版 鈴木憲次著に載っているステップ・アッテネータを作りました。

写真1: CQ出版の「高周波回路の設計・製作」

何かの役に立つだろうと作ってみましたが、なかなか出番がありませんでした。製作年が1990年になっているので、この本が出版される2年前にに作っていますが、たぶんトランジスタ技術あたりに投稿されたのを見て作ったのだと思います。この本は高周波回路の入門書で、基礎から実用設計まで参考になります。とくに使用する部品の説明や、回路のプリントパターンまで載っていて、実際に作ってみる点が読むほうにとって、ひじょうに興味がそそられる内容になっています。そんな実用設計の中のひとつが「ステップ・アッテネータ」です。

写真2: ステップ・アッテネータの回路

DCから200MHzくらいまで実用になるアッテネータで、減衰量は0 - -25dBの範囲で可変できます。1dBステップで, -10, -8, -4, -2, -1dBの中から組み合わせを選び、すべてONにした場合-25dBとなります。本の解説の通りほぼ忠実に製作しています。(若いころは面倒くさいこともいとわなかったなぁ。レタリングまでやってるよ! (独り言))

ステップ・アッテネータの回路

回路は写真2のようになっています。
インピーダンスは50Ωです。コネクタはBNCです。
精度は望めませんが、入手しやすいE24系の抵抗を使っています。

写真3: 自作ステップ・アッテネータ

許容差赤帯の±2% 1/4Wの金属皮膜抵抗です。

VHFまでつかえるようにシールドには気をつかています。生基板の上に実装し、-10dB, -8dBにはシールド板(銅板)で仕切っています。

写真4: 生基板の上に組んで、銅のシールド板で仕切っている

スペアナで性能を見てみる

APB-3で減衰の様子を観測してみました。

残念ながら50MHz以下でしか見られませんので、1MHz, 10MHz, 40MHzの3点を観測してみました。

入力信号はHP8656B SSGで生成しています。 ABP-3上で0dBmになるようにアンプリチュードを微調整してから計測しています。

写真5: 1MHz 0dBm, -10dBm, -20dBm

写真6: 10Hz 0dBm, -10dBm, -20dBm

写真7: 40MHz 0dBm, -10dBm, -20dBm

各周波数でほぼ正確に減衰量が得られています。

古いのでトグルスイッチに接触不良が出ているようですが、問題なく使えるようです。

(JF1VRR)

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