AM/FM信号の観測

投稿日 2021年01月31日

40MHzのスペクトラム・アナライザー APB-3には信号発生機能もあります。50MHzくらいまで発生できるようです。正弦波、三角波、のこぎり波、矩形波を発生することが出来ます。また、AMとFMの変調をかけることもできます。

今回はAPB-3で発生させたAM、DSB、FMの各変調波をスペクトラム・アナライザー TinySAで観測してみたいと思います。

​まず無変調の1MHzのサイン波を観測してみます。

APB-3で発生させた5MHzの正弦波とスペクトラム

APB-3の信号発生機能で作った5MHzサイン波
ATT 20dB

音声で変調されたAM波は搬送波(キャリア)周波数を中心にその上下の周波数に音声周波数のスペクトラムが分布します。AM放送では100Hzから7.5KHzの音声で変調しています。搬送波周波数から上に7.5KHz。下に7.5KHzのスペクトラムが分布するので、全体で15KHzの占有周波数帯域幅となります。たとえば搬送波594KHzを使う関東のNHK第一放送では、586.5KHzから601.6KHzが帯域ということになります。AMのラジオ放送は余裕をみて9KHzの整数倍間隔で並んでいます。

音声ではなく、たとえば単一の5KHzの正弦波信号で変調した場合は、搬送波周波数から上下に5KHz離れたところにスペクトラムが立ちます。このときの変調波の波形を観測すると、搬送波が5KHzで上下のエンベロープが揺さぶられている感じになります。これは単純な計算で作ることができます。以下はエクセルで計算した例です。この計算シミュレーションでは38000Hzの搬送波を1000Hzの変調波で変調しています。(搬送波に1MHZを使うと計算量が多く、一周期表示するのもたいへんになりますので38000Hzを使っています)

​振幅変調(AM) 搬送波周波数1MHz、変調波5KHz サイン波、変調度50%
搬送波から上下5KHz離れたところにスペクトラムがある
TinySAのRBWを最小の3KHzにしないと観測できない(搬送波と分離できない)
オシロ波形の濃淡は表示上の干渉によるもの

​振幅変調(AM) 搬送波周波数1MHz、変調波10KHz サイン波、変調度100%
搬送波から上下10KHz離れたところにスペクトラムがある

抑圧搬送波両側波変調(DSB) 搬送波周波数1MHz、変調波30KHz サイン波、変調度100%
抑圧された搬送波から上下30KHz離れたところにスペクトラムがある
TinySAのRBWを最小の3KHzにしないと観測できない(搬送波と分離できない)
オシロ波形の濃淡は表示上の干渉によるもの

​周波数変調(FM)、搬送波周波数20MHz、変調波5KHz サイン波、周波数偏移±195KHz

​(JF1vRR)

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