Mizuho VFOユニット VFO-5D VFO-7D
投稿日 2022年01月29日
Mizuho VFOユニット VFO-5D, VFO-7D
自作派の強い味方ミズホ通信が自作無線機のVFOとして販売
自作派とってVFOは難関。重宝しました
おもちゃ箱をひっくり返していたら懐かしいVFOユニットが出てきました。ミズホ通信のVFO-5DとVFO-7Dです。今は単体で転がってますが、以前は実験に使ったり、自作無線機に組み込んだりしてました。当時の価格は6000円。周波数を変更したりしてかなりいじり回してます。今回、それらVFO-5DとVFO-7Dがまだ元気か確認してみました。
名称のとおりVFO-5Dは5MHz台、VFO-7Dは7MHz台のVFOです。VFOとは言うまでもなく可変周波数発振器です。この5MHzと7MHzという周波数はVFOの周波数として一般的に使われる周波数で、5MHzの方は、他の周波数とプリミックスしたりして目的の周波数にして使います。7MHzの方は、そのまま電力増幅すれば7MHzのCW送信機になりますし、逓倍して21MHzや28MHzの源発振として使いました。実際ミズホ通信から7MHzや21MHzの送信ユニット(QPシリーズ)も販売されていました。VFO-5D/7Dの前にVFO-5/7が販売されていたようですが、当局は保有していません。
さて、VFO-5DとVFO-7Dの仕様(取り扱い説明書から)ですが、
発振周波数範囲 5.00MHzから5.50MHz または7.00MHzから7.15MHz
電源電圧 DC12Vから14V
消費電流 35mA
出力インピーダンス ローインピーダンス
出力電圧 500mVrms(50Ω)
不要スプリアス -40dB以下
周波数安定度 30分まで±2KHz以内 その後30分 ±250Hz以内
となっています。
鉄製のケースに組み込まれており、ガッシリしている感じです。ダイヤルは減速バーニヤダイヤルでポリバリコンを回しています。コネクタは6Pで電源端子の他、信号出力端子、RIT電圧端子、DC 8V出力端子などが一列に並んでいます。また、ダイヤルメモリ板が付属しています。このメモリ板は5D/7D共通になっていて、両方の周波数が目盛られています。取付はダイヤル側に4つのネジ穴があります。説明書に寸法図があるので、穴あけに便利です。
まず、周波数カウンタで発振周波数を観測してみました。自作の(キットを組み立てたもの)周波数カウンタなので100%の信用はできませんが、以下の結果となりました。
周波数可変範囲の計測結果
VFO-5D 4.9901MHz から 5.5070MHz
VFO-7D 6.9509MHz から 7.1468MHz
ただし、発振周波数は5D/7Dともに、シャシに空けられている穴から容易に動かせるものですので、購入直後にどうなっていたかは、もはやわかりません。まぁ、上記仕様の範囲にだいたい入っていればいいでしょう。
次に出力レベルとスプリアスを観測してみました。前述のようにいじり回した物なので、これが性能を示しているかどうかはわかりません。
VFO-5DのTinySAでの観測
5.051MHzを発振中
信号出力レベル 8.3dBm
スプリアス No.2 -47.2dBm No.3 -45.1dBm No.4 -52.0dBm No.5 -54.0dBm
VFO-7DのTinySAでの観測
7.058MHzを発振中
信号出力レベル 9.3dBm
スプリアス No.2 -34.1dBm No.4 -41.5dBm No.5 -45.0dBm
ちょっと第二高調波が大きいか?
VFO-5Dの出力信号波形を観測
5MHz付近を発振中
Vrms 0.686V 9.7dBm 50Ω
VFO-7Dの出力信号波形を観測
7MHz付近を発振中
Vrms 0.599V 8.6dBm 50Ω
このVFOは発振に2SK192A、バッファアンプに2SK192A, 2SC2603F x 2が使われています。最終バッファの出力がフィルターを通って出てきます。RITは発振回路のバリキャップの印過電圧を微調整するボリュームを外付けすることで行います。RITの配線方法は説明書に記載されています。また、電源DC 12Vを加えると、他の端子から8V(78L008)を出力するようになっていますが、RIT回路用で100mA(残り60mA程度)しか電流容量がないので他に使わない方が無難です。今回、周波数安定度は観測していません。
ミズホ通信 VFO-5D/7Dの回路図
5Dと7Dは回路が同じで、部品定数が異なる
(JF1VRR)