ピコ6用プリミックスVFOを作る(その2)

投稿日 2022年02月03日

ピコ6用の外付けVFOの実験(50.200MHzを受信中)
実験なのでバラック配線
信号源 SSG(画面外) 33MHz、DDS VFO(画面右) 5MHz台をNJM2594 DBM(中央)でミックス
38MHz台のBPF(ピコ6の下)を通して、ピコ6(画面上)に注入
(ピコ6のIFは11.2735MHzなので50.150から50.300MHzを受信する場合は
38.8765MHzから39.0265MHzのVFOが必要

ピコ6用プリミックスVFOを作る(その1)の続きです。今回は日本無線のNJM2594 ダブルバランスドミキサーを使用してピコ6用外付けVFOの実験を行いました。

今回は実験ですので信号源にSSG(HP8656B)と、最近作ったDDS VFOを使用しました。それと先日実験で動作確認したNJM2594 DBMをミキサーに使いました。ピコ6のVFOは38MHz台が必要ですので、SSGで33MHz、DDS VFOで5MHz台を作って、それをNJM2594でミックスして、38MHz台を作ります。このような方法をプリミックスVFOといいます。

プリミックスVFOについてはCQ出版の「トロイダルコア活用百科」が参考になります。NJM2594の動作確認は「NJM2594ダブルバランスドミキサーで実験」を参照してください。DDS VFOについては、「デジタル周波数シンセサイザ基板でVFOを作る」を参照してください。

​プリミックスVFOはスプリアスが多いので出力にバンドパスフィルター(BPF)を挿入する必要があります。今回採用した回路は共振器容量結合型で「トロイダルコア活用百科」を参考に周波数を変更して作りました。まずLT-Spiceでシミュレーションします。

共振容量結合型BPFの特性をシミュレータで確認
中心周波数 39MHz
コイル 0.34uH コンデンサー 37pF​、結合 2pF

シミュレーションで39MHz辺りにピークを持つBPFができそうですので、実装してみます。コイルにはトロイダルコアのT-25-6(10 - 50MHz 27uH/100t)を使用し11t巻きました。コンデンサはセラミックの固定値とトリマーで調整できるようにしました。NanoVNAで実測したところシミュレーションの通りになっているようです。

シミュレーションで確認したBPFをそのまま実装して
NanoVNAで特性を計測
コイル T-25-6 トロイダルコア 11t
コンデンサ 30pF + 10pFトリマ

NonoVNAで特性を確認
中心周波数 39.03MHz

TinySAでスプリアスを観測
必要な信号はNo.4 Fc + Fsのみ
No.3はFCリーク No.2はFc - Fs
Fc 33MHZ -7dBm, Fs 5.88765MHz +3dBm
Fsのレベルを下げればもう少しスプリアスは低減する

TinySAでBPFの効果を観測
不要信号は-55dBm以下に減衰している

今回はNJM2594 DBMでミックスした信号でピコ6の外付けVFOにしてみましたが、プリミックスVFOで必要となるBPFの実験のようになってしまいました。

ピコ6へのVFO信号の注入は、水晶発振回路の次のトリプラー(3逓倍器)の出力(ミキサーSN16913の手前)からRCAコネクタ等で引き出してきます。

今回はバラック配線ですが、問題なく受信できています。機会を見みて(その3)で、小型のV外付けVFOとしてまとめてみたいと思っています。

​(JF1VRR)

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