コンバイナーを作る

投稿日 2022年11月30日

抵抗を使ったコンバイナー(2合成/分配器)
入出力インピーダンス 50Ω 通過減衰量 -6dB​
51Ωの抵抗を3本並列で作成

簡単なコンバーナー(合成器)を作ってみました。2入力のコンバイナーです。可逆性があるので2出力のディバイダー(分配器)としても使えます。

​抵抗を使ったもので、インピーダンス50Ωに整合しています。抵抗を使ったコンバイナーは減衰が-6dBあります。

製作前にLTSpiceでシミュレーションしてみました。50Ωに整合の場合は、3本の抵抗はすべて16.7Ωです。​コンバイナーはただ信号を合成するだけです。信号の加算なので何も起こりません。このシミュレーションでは、1100000Hzと1200000Hzを合成しています。その差100000Hzのビートが発生しています。

実装に当たっては、使用する抵抗 16.7Ωは半端な値ですので、合成抵抗で作ります。100Ωと20Ωの並列が16.67Ωになりますが、20ΩはE24系に無く、近いのは22Ωですので100Ω//22Ωでは合成抵抗は18.03Ωになります。また、50Ωの3本並列でも16.7Ωが作れますが、50Ωも入手しにくいので、51Ωを使って51Ω//51Ω//51Ωとすると、17.0Ωになります。そこで今回は手持ちの51Ω 1/8Wを50.9から51.1Ωの範囲に入るものを選別して使うことにしました。

NanoVNAでLOGMAG、SMITH、SWRを計測​

NanoVNAによる計測結果
SPAN 50KHzから100MHz
通過損失(LOGMAG S21)はほぼ-6dBとなっている​

実装したあとNanoVNAでSPAN 50KHzから100MHzのLOGMAG、SMITH、SWRを計測してみました。LOGMAGはほぼ-6dBで原理通りです。SMITHは中央50Ωに張り付いています。SWRはほぼ1.0です。

TinySAによるスペクトラムの計測​
信号源はDDS VFO(50から25MHz 1Hzステップ) 上1000000MHz 下1100000Hz
30dBのATTを使用

TinySA Appによる計測
1000000Hzと1100000Hzにスペクトラムが確認できる

スペクトラムはTynySAで計測しました。信号源は自作のDDS VFO2つです。一方で1000000Hz、もう一方で1100000Hzを発振させてコンバイナーに入力し、合成して30dBのATTを通してからTinySAに入力しています。コンバイナーは単なる合成器なので、信号源以外のスペクトラムは発生しません。

コンバイナーは簡単に作れるので、ひとつ作っておくと便利です。用途としては受信機の調整や試験。フィルター類の通過特性の確認などがあるかと思います。​各DDSで7MHz台を発振させ受信機で聴いてみると、IFフィルターなどの効きが実感で確認できます。もう一歩進めるなら高精度のステップアッテネーターが各信号源にほしいところです。

​(JF1VRR)

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