QP-7にVFOをつないでみる

投稿日 2022年12月25日

ミズホ通信の7MHz 1W 送信機 QP-7
21MHz用のQP-21も販売されていた
付属の水晶発振子で周波数固定
​VFOなどの外部発振器をつなぐための配慮がされている

ミズホ通信からはいろいろ興味深い製品が出ていましたが、QP-7もそのひとつです。QP-7は7MHz 1WのQRP送信機(ローズ・キットで販売されていました)です。21MHzのQP-21もありました。QP-21の回路はQP-7と同じで共振回路等が21MHz用になっています。当時3000円でした。

QP-7はオーソドックスな回路を採用した送信機で、キーをつなげばそのままで電信(CW)送信機として使えます。また、1Wクラスのオーディオ・アンプを変調器にすれば電話(AM)送信機としても使えます。ただし、そのままでは発振回路が水晶発振回路なので、付属の水晶発振子で決まる周波数でしか使えません。当局所有の水晶発振子は7.025MHzですので、このままでは7.025MHzでしか使えません。

QP-7の回路図
水晶発振、バッファアンプ、ファイナル、タンク回路のオーソドックスな回路
各段のコレクタ電流を計測できる
外部発振器(VFO)を接続できる
Q1 2SC945 Q2 2SC1959(2SC735) Q3 2SC1957

まず付属の水晶発振子を外し、VFOをつなぎます。つなぎ方はネットを検索すれば見つかるQP-7の取扱い説明書に記載されています。同調回路はすべて水晶発振子を使う場合に調整されているので、VFOをつないだらすべて再調整が必要です。

今回はCWで使うので7.000MHzから7.030MHzが使用範囲です。このため中央の7.015MHzで調整すればよいかと思います。アンテナ端子に終端型電力計をつないで、電源は12Vを供給します。

使用したVFOの出力電力は7MHzで3dBm(2mW)ありますので、そのままでもよいのですが、できればATTで減衰させて供給します。今回は10dB(1/10)減衰させて供給しました。

1W 7MHz送信機 ミズホ通信のQP-7
各段の同調コイルを調整​
最終的に1.5Wの出力が得られた

次にQP-7にVFOをつなぎます。VFOを使用すると7Mバンドの任意の周波数で電波を出せます。まずミズホ通信純正のVFO-7Dをつないでみました。

VFO-7Dは、当時6000円でした。7.000MHzから7.150MHzのVFOです(実測は6.932MHz~7.159MHz)。ほかにVFO-5Dというのがあって、こちらは5.000MHzから5.500MHzのVFOです。プリミックス等で使用する組み込み用VFOです。VFO-7D、VFO-5Dについては以前「Mizuho VFOユニット VFO-5D VFO-7D」でレポートしています。

VFO-7Dは7MHz台なのでそのままQP-7用のVFOとして使えます。QP-7の初段(水晶発振回路)の水晶発振子を抜いて、VFOの出力を注入してやれば、水晶発振回路がバッファアンプになって次段へと伝えてくれます。VFO-7Dの出力インピーダンスは50Ωですが、QP-7の入力インピーダンスは不明なので3dBパッドを入れた方がよいかも知れません。

調整は終端型電力計(WD-2201)の指示を見ながら最大点に合わせました。CWで使うことを想定して7.015MHzで発振回路、バッファ回路、ファイナルのタンク回路のコイルを調整しました。これで7.000MHzから7.030MHzはほぼフラットでした。

QP-7にVFOとしてVFO-7Dを接続し、送信パワーを計測
VFO-7Dの可変範囲は6.932MHz~7.159MHz

​​つぎに、自作のDDS VFOをつないでみました。このDDS VFOは、50Hzから25MHzを生成できますので、VFO-7Dと同じく7.015MHzに設定しました。同調回路の調整はVFO-7Dのときに行いましたのでやらなくてもよいのですが、念のため再調整しておきました。送信パワーは1.5W出ています。

アマチュアの7MHzバンドでCWが出られるのは7.000MHzから7.030MHzまでですので、この範囲で問題なく使えるかを確認するため、送信電力とスプリアスを計測してみました。

各段の同調回路の調整を行った後、7.000MHzから7.030MHzの出力電力を確認しました。結果はほぼフラットでした。

次にスプリアスをスペアナで計測しました。2次高調波14MHzがxxdB、3次高調波21MHzがxxdBでした。

最後にキーをつないで実際に送信(ダミー抵抗をつないで、傍​の受信機で受信)してみました。電波の質も問題ないようです。

​7MHzで1W強の出力ではちょっとパワー不足を感じると思いますが、手軽に楽しむにはよいかと思います。当局はこのQP-7で免許を受けていないので実際の交信では使えません。変調器を作ってAMの実験をしたり、10W程度のリニア・アンプを作って遊んでみるのも面白いかも知れません

QP-7に自作のDDS VFOを接続し、送信パワーを計測
7.000MHzから7.030MHz 1.5Wフラット
14MHz 高調波 -30dB
21MHz 高調波 -25dB

​​つぎに、自作のDDS VFOをつないでみました。このDDS VFOは、50Hzから25MHzを生成できますので、7.000MHz台に設定します。同調回路の調整はVFO-7Dのときに行いましたのでやらなくてもよいのですが、念のため再調整しておきました。

アマチュアの7MHzバンドでCWが出られる7.000MHzから7.030MHzの範囲でフラットに1.5W出ています。スプリアスは14MHzが-30dB、21MHzが-25dBでした。

最後にキーをつないで実際に送信(ダミー抵抗をつないで、傍​の受信機で受信)してみました。電波の質も問題ないようです。

​7MHzで1W強の出力ではちょっとパワー不足を感じると思いますが、手軽に楽しむにはよいかと思います。当局はこのQP-7で免許を受けていないので実際の交信では使えません。変調器を作ってAMの実験をしたり、10W程度のリニア・アンプを作って遊んでみるのも面白いかも知れません

(JF1VRR)

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