42 電力増幅用五極管 (三結)
投稿日 2015/06/17
電力増幅五極管 42
左はPhilco製、右はマツダ製
みんなが好きな42です。
前回の6Z-P1同様、ST管五球スーパーラジオの低周波出力段に使われた球です。6ZP1が低出力ながら国産の普及球とすれば、こちらは少し大出力の高級ラジオに使われました。
古いST管五球スーパーラジオの品定めをするときは、低周波増幅段に6Z-P1が使われているか、この42が使われているかで当時の値段を想像します。
42(左)と6Z-P1(右)の比較
42のほうが管が大きく、プレートも一回り大きい
ヒーター電圧はともに6.3V
ヒーター電流は42の700mAに対して6Z-P1は半分の350mA
出力(シングル)は42の3Wに対して6Z-P1は1W
さらには整流が80HKのような半波整流管か、80のような両波整流管を使っているかで、高級度を見分けます。マジックアイがついていたら更に高級。欲を言えば短波も聞けたら最高ですが、ST管ラジオの時代は短波が聞けるものは少ないようです。
それ以外の周波数変換、中間周波増幅、検波はだいたい、6WC5, 6D6, 6Z-DH3Aと相場が決まっています。
42の出力はシングルで3W、三結のプッシュプルで5Wとのことです。
マツダの42の当時の価格は430円でした。
大き目の管にゆったりと組み立てられており、ヒーターも赤々と灯って、ラジオの裏板からこぼれる温かいヒーターの明かりは何とも言えません。
今回計測したのは、OMからいただいたマツダの42と、中学時代に作った五球スーパーで使っているPhilcoの42です。
三極管接続(三結)でEp - Ip特性を計測してみました。
マツダ製 42 三結 Ep - IP特性(実測値)
非常に良好な特性を保っています
Philco製 42 三結 Ep - IP特性(実測値)
マツダ製に比べちょっとくたびれているようです
バイアスの浅いほうで少し暴れます
42 マツダ製 No.288 代表値
ヒータ電圧/電流 6.3V/704mA
Ep 200V Ecg -16V Ip 16.19mA
42 Philco製 No.220 代表値
ヒータ電圧/電流 6.3V/670mA
Ep 200V Ecg -16V Ip 13.22mA
42 No.220 Philco
42 No.288 マツダ
(JF1VRR)