6BN8 双二極・三極複合管
投稿日 2016/10/28
東芝 6BN8 双二極・三極複合管
独立カソードのダイオードと高μのトライオードをもつ
背景はRCA Receiving Tube Manual
Technical Series RC-27
6BN8はカソードが独立した双二極部と、高μ(70)の三極部をもつ複合のMT管です。
管を観察すると、中央に三極部を置き、その三極部を挟むように、両側に二極部が配置されています。
この球は、双二極部をテレビのFMレシオ検波などに使われ、その検波出力を高μの三極部で電圧増幅する形で使われるようです。
三極部は低周波増幅に使えるのですが、二極部があるためオーディオでは採用されないようです。
形状は大形の9ピンMT管です。ベースピン配置は9ERです。9ERの球は6BN8の他に、6BJ8があります。6BN8のヒータバリエーションは8BN8があります。
ピン配置は違いますが同じカソード独立の双二極と三極部を持つ球に、6BV8があります。こちらのベースピン配置は9FJです。6BV8の三極部はμ33の中μ三極です。
Pin1: Diode 2 Plate
Pin2: Diode 2 Cathode
Pin3: Diode 1 Cathode
Pin4: Heater
Pin5: Heater
Pin6: Diode 1 Plate
Pin7: Triode P
Pin8: Triode Grid 1
Pin9: Triode Cathode
ヒータは6.3V 0.6Aです。11秒のヒータウォームアップタイムが補償されています。
真空管テレビの回路を眺めていると6AL5 双二極管でレシオ検波回路を組んでいるケースが見受けられますが、6BN8を使うとレシオ検波とその後段の増幅を一本で行うことができます。また、6BN6ゲーテッドビーム・ディスクリミネーターを使用しているものも散見されます。
今回は東芝製の6BN8で三極部のEp-Ip、Eg - Ip特性を計測してみました。
東芝 6BN8 Ep -Ip特性(実測)
東芝 6BN8 Eg -Ip特性(実測)
6BN8 東芝製
Class./Const. Duplex-Diode High-mu Triode
Outline 6-3
Base 9ER
H.V -8BN8
Hv 6.3V Ha 0.6A MaxPw 1.7W MaxPv 330V
実測:
Hv/Ha 6.3V / 575mA
Ecg -0.5V Ep 100V
Ip 2.22mA
rp 20800Ω
gm 4520us
μ 84.8
Ecg -1.5V Ep 200V
Ip 2.97mA
rp 21700Ω
gm 4520us
μ 684.4
Ecg -2.5V Ep 250V
Ip 1.76mA
rp 3360Ω
gm us
μ 71.6
ご注意
この計測はどのくらい使用されたかわからない中古の球で行われています。
6BN8 東芝 No.256
(JF1VRR)