6M-P17 電力増幅用五極管 (三結)

投稿日 2024/01/07

6M-P17
東芝製と思われる
丈約6cmの細身のMT管
6AR5に似た外観でピン配置も同じ6CC

①コントロール・グリッド
②カソード、サプレッサ・グリッド
③ヒーター
④ヒーター
⑤プレート
⑥スクリーン・グリッド
⑦NC

6AR5に似た外観の細身の7ピン電力増幅五極管です。国産球のようです。この球の使用例は少なく、球の詳細な規格もよくわかりません。

ピン配置は6AR5と同じ6CCで、3-4ピンがヒーター、5ピンがプレート、カソードとサプレッサグリッドが管内で接続され、2ピンに出ています。6ピンがスクリーングリッド。1ピンがコントロールグリッド、7ピンはNCです。6AQ5も同じような電力増幅管ですが、こちらのピン配置は7BZで、7ピンにもコントロールグリッドが出ています。このため7ピンを中継等に使っていなければこれらは差し替え可能です。

片岡 基著「真空管もの知り百科」には6M-P17を含めよく似た名前の国産球が紹介されています。下に6M-Pの球を列挙します。このほかにヒーターバリエーションがあります。詳細は分かりませんが、抜き出してピン配置番号を追加しました。これらの球は入手できれば計測してみたいと思います。

6M-P12 6CC
Eh 6.3v Ih 0.45A Ep 180V Esg 180V Ecg -6V Ip 25mA Isg 5mA gm 5500us Rl 6000Ω Po 2W

6M-P17 6CC
Eh 6.3v Ih 0.5A Ep 250V Esg 250V Ecg -8V Ip 33mA Isg 10mA gm 5200us Rl 7600Ω Po 3.4W

6M-P18 7BZ
Eh 6.3v Ih 0.73A Ep 200V Esg 180V Ecg -5V Ip 39mA Isg 12mA gm 11000us Rl 5000Ω Po 3.2W

6M-P20 6CC
Eh 6.3v Ih 0.6A Ep 185V Esg 185V Ecg -6V Ip 42mA Isg 9mA gm 10500us Rl 4000Ω Po 3.6W

今回計測した6M-P17は友人から譲り受けたもので、一部ガラスが変色しているのでかなり使われた球と思われます。

三結でPoを3WにしてEp 300Vまで。Egを1Vステップで計測したものと、Po 5W Ep 350V Eg 2Vステップで計測した実測グラフを作ってみました。

6M-P17 Ep-Ip特性実測
Po 3W ​グリッド電圧を1Vステップで計測
すべてEcg 5V変化(負方向)時の実測値

Hv/Ha  6.3V / 487.6mA
Ecg -2V -4V -6V

Ep  90V 130V 170V
Ip  11.99mA 10.48mA 9.75mA
rp  2174Ω 2513Ω 2907Ω
gm 11100us 9180us 7680us
μ  22.6 20.6 19.8

6M-P17 Ep-Ip特性実測
Po 5W ​グリッド電圧を2Vステップで計測

​三定数 すべてEcg 5V変化(負方向)時の実測値
Hv/Ha  6.3V / 444.5mA
Ecg -6V -10V -14V

Ep  140V 190V 240V
Ip 9.82mA 7.65mA 6.16mA
rp  4348Ω 5000Ω 5882Ω
gm 3580us 3100us 2400us
μ  15.2 14.6 13.8

注意: 三定数は手持ち電圧発生器、計測器の限界であまり精度のよいものではありません。

6M-P17 No. 259

(JF1VRR)

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