電気二重層キャパシタの充放電 2.5V 10F
投稿日 2017/01/21
前回3.0V 5Fの電気二重層キャパシタの放電を計測してみました。
参考記事: 電気二重層キャパシタの放電 3.0V 5F
今回は2.5V 10F (ESR 0.2Ω)です。
電気二重層キャパシタ 2.5V 10F
ルビコン製 秋月電子で270円
今回は充電のデータも採ってみました。
充電
まず充電ですが、十分放電しておき、定電圧定電流電源で充電します。
放電は電子負荷で端子電圧が0.020V以下になるまで0.5Aで急速放電させました。これは完全に放電した状態とは言えませんが、データを採る上で条件を合わせるためにこのようにしています。
電圧は2.5V。充電電流は1.0A、500mA、300mA、100mAで行いました。
充電電流が0.0016A以下になるまでの充電時間を記録しました。0.0016Aに深い意味はありません。このあとも徐々に減りますが時間がかかるので0.0016Aで打ち切っています。
恒温槽を25℃、20℃、16℃にして計測しましたが、あまり違いがないのでグラフは20℃の結果だけを載せました。充電時間は3回の平均です。
周囲温度25℃
充電電流 1Aの場合:97.3秒
充電電流 500mAの場合:96.0秒
充電電流 300mAの場合:106.7秒
充電電流 100mAの場合:183.0秒
周囲温度20℃
充電電流 1Aの場合:90.7秒
充電電流 500mAの場合:91.0秒
充電電流 300mAの場合:104.3
充電電流 100mAの場合:181.3秒
周囲温度16℃
充電電流 1Aの場合:85.3秒
充電電流 500mAの場合:89.3秒
充電電流 300mAの場合:99.7秒
充電電流 100mAの場合:183.7
2.5V 10F 電気二重層キャパシタの充電 20℃
定電圧定電流電源(CVCC)で1.0A, 0.5A, 0.3A, 0.1Aで充電
充電電流が0.0016Aに低下するまでの時間
電池と違い短時間で充電が完了します。放電状態が同じであれば、充電電流の変化は試した温度範囲ではほぼ同じ軌跡を辿りました。充電電流を電池のようにあまりシビアに考えなくてもよさそうですので、扱いやすいと思います。
保護抵抗での充電
定電圧定電流電源が無い場合を想定して保護抵抗(1.5Ω)をつないでの充電を試みました。電圧は2.5Vにして、充電電流が0.0016Aになった時点で終了しました。周囲温度は25℃の場合です。
2.5V 10F 電気二重層キャパシタの充電 25℃
充電電流の変化
電源電圧を2.5V 電流MAX5.0Aにして保護抵抗1.5Ωをつないで充電
充電開始時の電流は約1.25A
充電電流が0.0016Aに低下するまでの時間
3回の平均103秒(1分48秒)
定電流放電
次に定電流放電です。
フル充電したキャパシタを電子負荷につなぎ、負荷電流50mA、10mA、5mA、1mAで、端子電圧が2.5Vから1.8Vに降下するまで、1秒間隔で計測してみました。環境温度は恒温槽で20℃に保っています。
電気二重層キャパシタの放電 2.5V 10F
周囲温度 20℃
放電実験は上のグラフのような結果となりました。
3.0V 5Fのときと同様、一般的にキャパシタの放電時間は定電流で放電する場合、T = ( C (V1 - V2)) / Iで計算できます。10Fのキャパシタで50mAで放電し、端子電圧が2.5Vから1.8Vまで降下する時間は、T = (10 (2.5 - 1.8) / 0.05 = 140秒 と計算できます。実際に放電して計測してもドンピシャ140秒でした。1mAの場合かなり差がありますが、どうも使用の電子負荷が微小電流の場合誤差が出るようで、5614秒は、約1.25mAで放電したときの時間です。
放電電流 1.8Vになるまでの時間(計算) 1.8Vになるまでの時間(計測)
50mA 140秒 140秒 (2分20秒)
10mA 700秒 726秒 (12分06秒)
5mA 1400秒 1430秒 (23分50秒)
1mA 7000秒 5614秒 (93分34秒)
(JF1VRR)