真空管用白箱を作る

投稿日 2025年1月28日

クローゼットの引き出しを占有するMT管群
白またはベージュ色の箱は自作箱

当局の真空管保有数は約500本。MT管だけでクローゼットの引き出しのひとつを占有し、ST管、GT菅等がいくつかの段ボール箱に収まっています。実機に搭載されているものもあります。

若い頃購入したものや、先輩からいただいたもの。オークションで購入したもの、リグやラジオ、アンプに搭載されているものなど。一応番号を付けて管理しています。入手した時すでに箱のない真空管も多くあります。オリジナルの箱があればそれに越したことはないのですが、なかなかそうはいきません。しかし、真空管を裸のまま保管するのも問題です。

そこで、過去に真空管用の白箱を購入して使っていました。5枚から10枚組くらいで売られていましたが、最近はあまり見かけませんし、真空管にはMT管でも細いもの、太く背の高いものがあり、GT菅、ST管などもあります。それらの様々なサイズの箱を購入するのも効率が悪そうです。そこで、お菓子の箱などを利用して真空管保管用の白箱を自作することにしました。

市販されていた真空管白箱はやはり適当な厚さで表面に艶があり、取り扱いもしやすくできています。内部で真空管がガタガタ動かないように当て紙(スペーサー)があります。また、薬の箱などでよく見かける、蓋が自然に開かないよう切れ込みがあります。さすがに市販されている白箱はうまくできているのですが、それらは自作できそうな範囲です。

MT管の箱
左の四つは各メーカーの箱(6BA6や6AR5,12BH7Aなど)
右は大型のMT管(6BQ5など)用
中央の白と、右のベージュ色の箱は自作したもの

すこし厚めの紙はホームセンターなどでも購入できますが、少々薄くてもお菓子などの箱を利用することができます。白箱とはいうものの、使う紙によってはベージュ色や茶色や黒、柄入りなど、個性が出ます。そこはお愛嬌です。

箱のサイズは、一応東芝やマツダ、ナショナルなどのメーカーの箱に合わせておくのが統一という意味でよいかと思います。保管するときにサイズがまちまちだときれいに整頓できません。ただしメーカーの箱も統一されているわけではなく、とくに外国製の真空管の箱は様々です。まぁ、保管上便利なように、ある程度サイズを統一しておき、真空管が小さくても大きくてもある程度同じ箱で済ませるようにします。

GT菅、ST管用箱
左から6080 大型GT菅、6F5G(ST管)、自作箱ST管6D6、GT菅6DG6GT、自作箱8BM11(コンパクトロン)

とりあえず、サイズの種類としては、

小型のMT管用 6AF4のような超小型のMT管から6AR5、12BH7Aなどの背の高いMT管。短いが太目な12AX7など
大型のMT管用 6BQ5や6BM8など太く背の高いMT管
GT管用 多くのGT菅をカバーしますが、6080などの大型管は別途　コンパクトロンのような太いものもここに
ST管用 ほとんどのST管をカバーします。807などの大型管は別途

を用意すればほとんど間に合うと思います。

まず、市販の白箱や、メーカー製の真空管の箱を破かないように注意深く展開します。箱の構造は何種類かあり、蓋の位置などが異なります。スペーサーは箱本体に連結されているものや、東芝の多くで採用されていたような別紙で作られていることもあります。

東芝GT菅6SN7GTBの箱を展開してみた
スペーサー(右)は別紙になっている

まず厚めの丈夫な紙を型紙にします。お菓子の箱などで少し厚めで頑丈な紙を使います。メーカーの箱を展開したら厚紙の上でペンでなぞり、輪郭を忠実に写し取ります。もちろん寸法を測って製図しても構いません。写し取った輪郭線のやや内側に沿ってカッターなどで切り取ります。切り取ったら山折りの部分に折れ線を引いておきます。以降これを型紙とし、実際の箱の制作ではこの型紙の輪郭を写し取って箱を量産するようにします。

左下はMT管用の型紙、上はそれを写し取ったもの
右はGT菅用の型紙(6SN7GTBの箱から作ったもの)

箱を作るための紙を用意します。少々薄くても箱にしればしっかりします。その紙の上で型紙の輪郭をとり、カッターなどで切り取ります。切り取り終えたら組み立てです。折れ線に沿って折ります。組み立ては簡単そうですが、なかなかうまくはいきません。少しゆがんだり、蓋ができなかったり。多少苦労しますが、何個か作っているうちにコツがつかめます。折り目はすべて山折りですが、正確に折らないと狂いが出てきます。私は定規の縁で裏から折り溝を作ってから折るようにしています。のりしろの部分はノリを塗って合わせますが、乾くのを待つのもめんどうなので、すぐにマスキングテープなどで固定してしまい、使用時もそのままにしています。人に見せるわけではないので、そのあたりは適当です。

左から大型GT菅/ST管用、ST管用、GT菅陽、大型MT管用、小型MT管用
大型GT菅用 50mm x 50mm x 130mm
ST管用 37mm x 37mm x 110mm
GT菅用 37mm x 37mm x 95mm
大型MT管用 30mm x 30mm x 90mm
小型MT管用 25mm x 25mm x 75mm

(JF1VRR)