真空管試験器を作る
投稿日 2010/06/08
真空管の時代は終わったという認識が一般的ですが、ヤフーオークションなどを見ていると、まだまだ、さまざまな真空管が入手可能であり、オーディオやラジオ製作等を楽しんでおられる方も多いようです。
かく言う私も、高校時代に50MHzのAM送信機を真空管で作ったことからアマチュアライフが始まったので、なかなか忘れがたいものがあります。
オーディオ パワーアンプ用の高価な真空管は別として、テレビやラジオ、無線機で当たり前のように使われていた真空管は、未使用、中古を含め安く手に入ります。
そこで、真空管のことを勉強したくなり、「真空管試験器」を作ってみることにしました。
電流、電圧はソード、ヒータ、プレート、グリッド等切替て見ることができる
ピン接続でさまざまな真空管に対応する
コンパクトロン、ST管用のソケットは未装着(穴が開いている)
前置きが長くなりましたが、真空管のEp-Ip特性などのカーブトレースができればひとまずOKということで、真空管試験器を組み始めました。
真空管試験器と言っても、コレだけで完結したものではなく、それ自体は簡単な回路のもので、操作性をよくするための操作パネルにすぎません。電源や測定器はすべて外付けです。
まだまだ改善の余地はありますが、一応Ep-Ip特性がグラフ化できましたので、現状を投稿することにしました。
12BH7Aを試験中
システムの構成 (詳細はここを参照ください。)
○真空管試験器(操作パネル) 自作(写真参照)
○プレート用電源 TAKASAGO EX-375U2 0 - 500V
○スクリーングリッド用電源 TAKASAGO EX-375U2 0 - 500V
○電源用GPIBコントローラ TAKASAGO TC-911B(GPIB)
○ヒータ用電源 自作
○コントロールグリッド用電源 HP8116A ファンクションジェネレータ(GPIB)
○電流測定用デジタルマルチメータ HP3478A(GPIB)
○電圧測定用デジタルマルチメータ ハンディータイプ
○パソコン(GPIBコントローラ)
ソフトウェア
○GPIBによる制御にeasyGPIBを使用
システム要件
○測定はパソコンでコントロールし、できる限り自動制御とする。
このため電源、測定器等はGPIBでコントロール可能なものを使用する。
○電源は電流制限できるものを使用する(安全を考えて)
12BH7A 双三極管 片ユニットのEp - Ip特性
コントロールグリッド電圧を0Vから-15Vまで1Vステップで測定
測定値をエクセルでグラフ化
課題
○ヒータ用電源のレンジを50Vまでに拡張、よりさまざまなヒータ電圧に対応する、
GPIBで制御できるようにしてエージングなどを自動化する。
○コントロールグリッド用電源のレンジを-60Vまで拡張し、大型真空管にも対応する。
小型真空管用は1mVステップ、大型真空管用として1Vステップの分解能とする。
(現状のHP8116A FGでは-6V 1mVであり、小型真空管しか試験できない)
○コンパクトロン、ST管も試験可能にする。
今後、さまざまな真空管を測定して、いろいろ考えていきたいと思っています。
(JF1VRR)