807 空冷傍熱ビーム管

投稿日 2015/05/25

​5極管、それも電力増幅管の静特性をとるのはちょっと難しいのですが、アマチュアとしては避けて通れない球ですので、今回807を測定してみました。

測定に使用したのはTEN製の807です。球面に1962年10月とあります。ほぼ新品と思われます。

807 TEN製 1962-10

この球はオーディオ界でも使用例があるようですが、アマチュア無線ではおなじみの球です。これでHFの送信機を作ったOMが多いのではと思います。

用語

Vp プレート電圧
Ip プレート電流
Vcg コントロール・グリッド電圧
Vscg スクリーン・グリッド電圧
Iscg スクリーン・グリッド電流

静特性はいろいろあります。一般的によく見られる五極管の特性としてVp-Ip特性がありますが、この特性を実測する場合、特にVcgが浅いときに、Vp <= Vscgでは、Iscgが増えてスクリーン・グリッドが赤熱する危険があるので、あまり実測したくありません。

そこで、今回はVcgを一定にしておいて、Vscgの変化におけるIpへの影響を実測してみました。

五極管(ビーム管を含む)の特性として、「Ipは、ほとんどVscgで決まり、Vpにはほとんど影響されない」ということがありますが、今回はVp 300Vと350Vで計測してみました。

Vscgは300V以上にしない(Vpより高くしない)という条件です。

807 Vscg - Ip特性 実測値
Vcg -10, -15, -20, -30VにおいてVscgを変化させた場合のIPの変化
IpはVscgに大きく影響されるが、Vpにはほとんど影響されない

代表値(Vp 300V)
Vcg -10V Vscg 200V Ip 57.53mA
Vcg -15V Vscg 200V Ip 34.16mA
Vcg -20V Vscg 200V Ip 18.29mA
Vcg -30V Vscg 200V Ip 4.39mA

807 TEN 1962-10 #224

(JF1VRR)

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