35W4 トランスレス用整流管
投稿日 2017/05/19
35W4はトランスレス・ラジオの整流管です。ほとんどのトランスレス五球スーパで使われていると言っても過言ではありません。
東芝のラジオ「かなりや」で現役で使われている35W4
ヒーター電圧は35.0V。ヒーター電流はトランスレス標準の150mAです。
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例によって無負荷での静特性計測ですので、最大プレート電流(35W4の場合100mA)を守って、低いプレート電圧しか印加できません。実際のラジオではプレート電圧はAC100Vが印加されますが、直列に負荷が加わります。
35W4のベースピン配置は5BQです。5BQの球は35W4のほかに25DK4、36AM3、36AM3-A、36AM3-B、50DC4があります。
ヒーターに中点があり、トランスレス・ラジオにおけるパイロット・ランプを接続できるようになっています。
35W4の電圧 - 電流特性
35W4の電圧 - 電流特性
ヒーター電圧 10%から100%(35V)まで
40%まではエミッション不足で飽和しているが、
50%以上は正規の特性に近い
計測結果から、35W4はヒーターのエミッションに余裕をもって設計されているようです。ヒーター電圧50%(17.5V)でも正規の特性に近いプレート電流が流れるようです。
35W4はトランスレス・ラジオの整流管として多用されていますが、整流管ということと、ヒーター点火時の負担などから寿命の短い球と言えます。
35W4 東芝 No.389
(JF1VRR)