LT1172CN8昇圧コンバータを実際に使ってみる
投稿日 2016/03/01
LT1172CN8については、LT1172CN8使用の昇圧コンバータ その2でとり上げて性能評価しています。
LT1172CN8使用の自作昇圧コンバータ
12Vを19Vに昇圧するよう設定
入力(左)に12Vバッテリをつなぐ
出力側に小型ノートPCをつなぐ
実際にはケースに封入して計測
計測中ヒートシンクが少し温まる程度
実際に使ってみると言っても、これも実験のひとつですが、実使用を想定して、実際にバッテリを使用し、負荷は移動運用で使用する小型ノートPCをつないでバッテリがどのくらいもつのかを実験してみました。
バッテリは12V 12Ah(20時間率)のWP12-12 シールバッテリです。秋月電子で購入したものです。14.5V 1Aで一晩充電しフル充電にしておきます。
負荷としての小型ノートPCは、DELL Inspiron 1210です。このPCは小型で消費電力は小さいほうです。 19Vで0.65A流れます。
接続し終えたらノートPCでwindowsを起動します。
電流計と電圧計でバッテリの出力電圧を電流を監視します。GP-IBを使用しパソコンで自動計測できるようにしました。1分間隔で計測しました。
LT1172CN8昇圧コンバータで12Vから19Vに昇圧
負荷として小型ノートPCを接続 19V 0.65A
windowsを起動して無操作で放置
12V 12Ahのシールバッテリをつなぎ、
バッテリの出力電圧と電流を1分間隔で計測
計測日と気温 2016/02/25 10℃近辺
負荷 小型ノートPC DELL Inspiron 1210 19V 0.65A(リチュームバッテリ取外し)
ノートPC windowsを起動し、デスクトップ表示を維持(無操作)
昇圧コンバータ LT1172CN8 12V -> 19V 昇圧
バッテリ充電 14.5V 1Aの定電圧定電流充電 1晩
計測開始時のバッテリ出力電圧 12.45V
計測終了時のバッテリ出力電圧 11.00V (11Vで終了するよう設定)
経過時間 592分 (9時間52分)
計測中のバッテリ出力電流の平均 0.96A
無負荷時のバッテリ出力電流 0.05A(LT1172CN8の待機電流)
0.02Aきざみでのバッテリ出力電流の度数分布
ノートPCを無操作で放置してもある程度変化がある
バッテリで夏が降下してくると、徐々に消耗を加速するので右方向に偏る
使用したシールバッテリWP12-12は20時間率で12Ahのバッテリです。つまり12 / 20 = 0.6Aであれば20時間もつということですから、1.2A流すと10時間ということになります。今回の実験では出力電流の平均が0.96Aですですが、バッテリの電圧が降下すると出力電圧19Vを維持するため電流がふえるので、徐々にバッテリ消耗が加速します。度数分布で見ると1A以上のほうへ偏る傾向があります。このため10時間(9時間92分)ままずまざの成績でしょう。
(JF1VRR)