KA-6000の中を覗く
トリオ ソリッドステートアンプ KA-6000
チューナKT-5000との組み合わせで見た目の満足が得られる(?)
1968年ソリッドステートアンプ黎明期にトリオから発売されたプリメインアンプ KA-6000です。重厚感があるフロントデザインで、同じ頃販売されたチューナー KT-5000との組み合わせがよく似合っています。パネルはややベージュがかったシルバーで、カッティングのあるツマミが重厚感を出すのに一役買っています。
このアンプのスペック等は「オーディオの足跡」さんの記事が詳しいようです。それによると、
フォノ入力を2つ供え、一方はMC用として使えるヘッドアンプ付き
スピーカーは2系統を切り替えられる
プリアンプとメインアンプを切り離せる
-20dBのミューティング
ローパス、ハイパスフィルター
ラウドネス
-2dBステップのトーンコントロール
AUX入力一系統
などを備えています。MCカートリッジ用のヘッドアンプを搭載しているところなどは親切設計ですね。
ケースを開けてみると、各ユニットはシールドケースに入っています。丸い大きなコンデンサが目立ちますが、電源の平滑コンデンサです。左右の黒いヒートシンクはパワートランジスタです。黒く四角いのが電源トランスです。
裏面を見ると一見真空管アンプのような配線です。当時らしいですね。フロントに並ぶランプはすべてLEDではなく豆球です。当時、そろそろLEDの時代ですが、まだ使われなかったようです。おとなしい青いランプには品があります。
パワーアンプのドライブ段とプリアンプの基板はソケットになっているので簡単に取り外せます。見ると当時の2SC458や2SC350など、懐かしいトランジスタが並んでいます。コンデンサ類は特にオーディオ用というわけではなくELNAの普通のものを使っているようです。当時まだオーディオ用は無かったのでしょうかね。
このアンプ、調子よく鳴っているのですが、ソリッドステートアンプ特有の「サーノイズ」が多いようです。経年劣化の影響でしょうか、それとも発売時からこうなのでしょうか。音はスピーカーを力強くドライブしてくれているなという感じです。それと蓋を開けてわかったのですが、Lチャンネルのパワートランジスタのヒートシンクが熱いようです。これは要調査です。
KA-6000を中を見てみました
各回路はシールドケースに収まっている
左右のヒートシンクはパワーアンプ部のパワートランジスタ
シールドケースをすべて外したところ
プリアンプ基板(取り外したところ)
パワーアンプのドライバー基板
右手前はヘッドアンプ
プリアンプ基板(ソケットに挿入されている状態)
H.P 40Hz基板
NF TONEアンプ基板
(JF1VRR)