6R-P10 70MHz中間周波増幅用五極管 (三結)

NEC赤文字 通信用 6R-P10
1965 -MM OLXXXXとある

国産球のようです。今回入手したのはNECの通信用で、おそらく何かの通信機器から抜き取られたものでしょう。中古です。

6R-P10については、他の国産球もそうですが、あまりまとまった情報がありません。かろうじて在る情報から引いてくると、有線通信用の高帯域信号増幅用で相互コンダクタンスgmが大きいと言われている球です。

9ピンのMT管ですが、注意すべきはピン配置です。通常、9ピンのMT管では4ピンと5ピンがヒーターですが、この6R-P10は1ピンと6ピンがヒーターになっています。ピン配置は以下の通りです。

ピン1 H
ピン2 P
ピン3 NC
ピン4 K, IS, G3
ピン5 G2
ピン6 H
ピン7 NC
ピン8 G1
ピン9 K, IS, G3

NCには手持ちのもので見たところ何もつながれていませんでした。(念のため)

構造は一見12BY7に似ているように思います。

情報は少ないながら一部のオーディオファンによるパワーアンプへの採用がみられるようです。

今回は三結で手持ち4本の6R-P10を計測してみました。

計測の結果、けっこう個体差のある球というのが印象です。この球を中古で入手しオーディオアンプ等で使用する場合、個々に動作点の確認をしたほうがよさそうです。グラフの曲線の立ち具合はgmの高さを物語っています。つまり感度のよい球ということで、わずかなGcvの変化でIpが大きく変化します。

○6R-P10 管理番号435 三結

Hv/Ha  6.3V / 484.4mA
Ecg -2V -4V -6V

Ep  90V 130V 170V
Ip  10.70mA 8.64mA 7.20mA
rp 2347Ω 2688Ω 3144Ω
gm 10440us 8880us 7460us
μ    23.0 22.2 21.4

○6R-P10 管理番号436 三結

Hv/Ha  6.3V / 473.9mA
Ecg -2V -4V -6V

Ep   90V 130V 170V
Ip  17.09mA 15.04mA 14.07mA
rp  1930Ω 2146Ω 2403Ω
gm 19680us 10500us 9180us
μ    20.4 20.8 20.2

○6R-P10 管理番号437 三結

Hv/Ha  6.3V / 474.6mA
Ecg -2V -4V -6V

Ep  90V 130V 170V
Ip  13.59mA 11.22mA 9.47mA
rp  2100Ω 2381Ω 2809Ω
gm 11920us 10000us 8420us
μ    24.0 22.4 21.8

○6R-P10 管理番号438 三結

Hv/Ha  6.3V / 487.6mA
Ecg -2V -4V -6V

Ep  90V 130V 170V
Ip  11.99mA 10.48mA 9.75mA
rp  2174Ω 2513Ω 2907Ω
gm 11100us 9180us 7680us
μ  22.6 20.6 19.8

注意: 三定数は手持ち電圧発生器、計測器の限界であまり精度のよいものではありません。

6R-P10 No. 435, 436, 437, 438

(JF1VRR)

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