ダイヤモンド CPATU 3.5~50MHz ATU用エレメント

投稿日 2024年07月29日

ダイヤモンド(第一電波工業)の3.5MHz~50MHz帯屋外型オートチューナー(ATU)専用エレメント CPAUTを購入しましたので、さっそくSWR特性を計測してみました。特性は接地状態、使用環境により変わりますので参考程度としてください。

当局の環境ですが、リグは八重洲のFT-857M。アンテナ・チューナー(ATU)は同じく八重洲のFC-40です。設置は家の裏庭で、コンクリート床面の上に、移動用ポール(4.5m)を伸長せずに支柱代わりに使いました。ATUは支柱の最も下部、ほぼ床面近くに取付け、アンテナ給電部の高さは、床から約110cm。ATUの給電部からは約60cmになりました。ラジアルは12mと7mの被覆単線2本を反対方向に適当にだらりと伸ばしています。これまで使用していたロングワイヤーのラジアルをそのまま使っています。なお、3mほど離れてアンテナ・タワーが建っており、6mほど離れて隣家があるという、あまり広い場所ではありません。

CPAUTの仕様は以下の通りです。
周波数:3.5MHz~50MHz(使用するチューナーの仕様に準ずる)
耐入力:300W(SSB)
耐風速:40m/s
全長:約4.6m
重量:約2.5kg
適合マスト径:Φ30~Φ62mm

CPATUは現在出回っている主要なATUで使えるようです。マニュアルに各メーカーのリグとATUの組み合わせで接続例が載っています。

なお、CPAUTには支柱、ラジアル線は付属していません。コネクタは同軸用のMコネクタになっていますが、専用の引き出し線が付属しているので、それを使ってATUにつなぎます。

当局の設置環境では、一応3.5MHzから50MHzまですべてのバンドでチューニングがとれました。1.9MHzでもやってみましたが、仕様外ですのでやはり駄目でした。50MHz帯は50.180MHzでチューニングがとれましたが、51MHzではだめでした。設置環境にもよるかと思います。

CPAUTの使い方としては、今回のように地面に立てて、ラジアルを這わせる方法。屋根の上に立てて、ラジアルを這わせる方法。ベランダ等に固定して、ベランダの金属製の囲いなどをラジアル代わりにする方法などがあるかと思います。地面に立てる方法はラジアルさえちゃんとなっていれば簡易な運用方法として、移動運用に使えるかと思います。また、まだ試してませんが車の車体アースで使えればなお簡単です。後日実験してみたいと思っています。いずれにせよ、4.6mという長さは長すぎるということはなく、一人でも設置でき使いやすいと感じます。

各バンドのSWRをNanoVNAで計測してみましたので、以下に結果を示します。FT-857でチューニングしたあと、アンテナの同軸ケーブルのみを外して、NanoVNAに付け替えて計測しています。スキャン周波数幅は800KHzです。チューニングした周波数とその周辺800kHz分の特性カーブの様子が観測できました。ATUの構造上、チューニングで指定した周波数のSWRが最低になるとは限りません。実際の運用では、たとえばFT-857とFC-40使用の場合、10KHzごとにチューニング状態の更新が行われるので、周波数を変更したとしても、最適な(可能な範囲でできるだけ低い)SWRになるよう設定されますので、これらのSWRのカーブを気にすることは一般的にはありません。

チューニング周波数 3.515MHz
SWR 3.500MHz 1.661 3.539MHz 1.142 3.579MHz 1.849

チューニング周波数 7.020MHz
SWR 7.000MHz 1.070 7.020MHz 1.03 7.200MHz 1.60

チューニング周波数 7.060MHz
SWR 7.000MHz 1.231 7.080MHz 1.03 7.200MHz 1.60

チューニング周波数 10.110MHz
SWR 10.100MHz 1.453 10.110MHz 1.434 10.150MHz 1.344
最低点 10.325MHz 1.039

チューニング周波数 14.060MHz
SWR 14.000MHz 1.204 14.060MHz 1.222 14.350MHz 2.959

チューニング周波数 14.160MHz
SWR 14.000MHz 1.421 14.160MHz 1.026 14.350MHz 2.157

チューニング周波数 18.090MHz
SWR 18.068MHz 1.216 18.090MHz 1.243 18.168MHz 1.305

チューニング周波数 21.030MHz
SWR 21.000MHz 1.043 21.030MHz 1.098 21,430MHz 2.155

チューニング周波数 21.200MHz
SWR 21.000MHz 1.515 21.200MHz 1.128 21.450MHz 1.398

チューニング周波数 24.900MHz
SWR 24.890MHz 1.071 24.900MHz 1.074 24.980MHz 1.122

チューニング周波数 28.060MHz
SWR 28.000MHz 1.158 28.060MHz 1.127 28.460MHz 1.116

チューニング周波数 29.300MHz
SWR 29.000MHz 1.373 29.300MHz 1.252 29.700MHz 1.105

チューニング周波数 50.180MHz
SWR 50.000Hz 1.552 50.180MHz 1.242 50.580MHz 1.397

(JF1VRR)