12AT7 実測データ (60) High-Frequency Twin Triode
投稿日 2010/11/21
12AT7 マツダ
12AT7は高周波電圧増幅用双三極の9ピン ミニチュア管です。テレビやFMラジオなどの高周波増幅や周波数変換に使用されるようです。オーディオアンプでも12AX7や12AU7ほどメジャーではありませんが、ときおり使われているようです。
12AX7, 12AU7と三定数うを比較すると、
12AT7 12AX7 12AU7
Rp(Ω) 10900 62500 7700
gm(mS) 5.5 1.6 2.2
μ 60 100 17
1962 ナショナル真空管ハンドブックより
となっており、12AT7はRp、μともに中程度となっています。
実測の三定数は以下のようになりました。(Ep 250V Eg -2Vにおいて)、
実測値
rp 10870Ω
gm 5.2mS
μ 66.7
Ep 250V、PL 50KΩ、バイアス-2V、入力信号電圧1.1V(2.2Vpp)で、高調波歪率が3.68%、2次高調波が主体です。なお、12AT7に似た特性の6AQ8は、同条件で4.46%でした。いずれもあまり直線性がよいとは言えません。(7DJ8と比較して)
備考:
手持ち真空管の固体実測データですので、参考程度としてください。
三定数は規格表の参考値となるべく同じ条件で測定していますが、あまり精度は望めません。
高調波歪率は特定条件における負荷線を6次多項式で近似して計算したものです。
参考文献:
1962 ナショナル真空管ハンドブック
実用真空管ハンドブック
(JF1VRR)