トランスレス球のヒータ特性
投稿日 2011/07/12
トランスレスのラジオに使われてる真空管のヒータ特性を調べてみました。
昔、子供の頃自宅にあった真空管ラジオは東芝の「うぐいす」というラジオでしたが、
今となってはどんな機種だったかは思い出せません。
オークションにもときどき見かけますが、外見までは思い出せず、購入する決心がつきません。
今回は、以前入手したコロンビアのモデル1280というトランスレス五球スーパーで調べてみることにしました。
コロンビア モデル1280 トランスレス 五球スーパー
このラジオは、いまだに現役で、良く鳴ります。今でもときどき使っています。
電源を投入すると、数分間ガサゴソ、ガサゴソと耳障りな音がしますが、やがてしなくなり、安定します。
ごく一般的なトランスレス 五球スーパーです。中波530Kcから1600Kc、短波は4から12Mcの2バンドラジオです。
トランスレス五級スーパーの場合、AC 100Vで、5つの真空管のヒータを直列にして点火します。
球は12BE6, 12BA6, 12AV6, 30A5, 35W4の5本を使用しているので、12 + 12 + 12 + 30 + 35 = 101Vとなります。
トランスレス球の場合、ヒータ電流が安定時150mA ヒータウォームアップタイム11秒と規定されています。
直列接続ですので、ヒータ電流が揃って変化(減少)しないと、変化の早い球に大きな電圧がかかり、球切れの原因となります。(抵抗の直列接続では、抵抗値の大きいほうに大きい電圧がかかる。ヒータは冷えているときは抵抗値が小さいが、温まると抵抗値が大きくなる。温まるのが早い球には大きな電圧がかかる)
12BE6, 12BA6, 12AV6は球の大きさがほぼ同じでヒータ構造も同じであるため、特性を合わせやすいのですが、30A5と35W4はカソードの大きさと構造が違うので、特性を合わせるのが難しいようです。
ヒータの材質の違いも影響します。このためトランスレス球は同じメーカで統一するのが無難です。
今回のラジオではすべて東芝の球でした。
ごく一般的なトランスレス 五球スーパーです。中波530Kcから1600Kc、短波は4から12Mcの2バンドラジオです。
トランスレス五級スーパーの場合、AC 100Vで、5つの真空管のヒータを直列にして点火します。
球は12BE6, 12BA6, 12AV6, 30A5, 35W4の5本を使用しているので、12 + 12 + 12 + 30 + 35 = 101Vとなります。
トランスレス球の場合、ヒータ電流が安定時150mA ヒータウォームアップタイム11秒と規定されています。
直列接続ですので、ヒータ電流が揃って変化(減少)しないと、変化の早い球に大きな電圧がかかり、球切れの原因となります。(抵抗の直列接続では、抵抗値の大きいほうに大きい電圧がかかる。ヒータは冷えているときは抵抗値が小さいが、温まると抵抗値が大きくなる。温まるのが早い球には大きな電圧がかかる)
12BE6, 12BA6, 12AV6は球の大きさがほぼ同じでヒータ構造も同じであるため、特性を合わせやすいのですが、30A5と35W4はカソードの大きさと構造が違うので、特性を合わせるのが難しいようです。
ヒータの材質の違いも影響します。このためトランスレス球は同じメーカで統一するのが無難です。
今回のラジオではすべて東芝の球でした。
トランスレス球のヒータ特性(ヒータ電流とヒータ抵抗)
ヒータ抵抗の変化から計算したヒータ端子間電圧の変化(パイロットランプは計算に入れていません)
このグラフを見る限り、各球に異常な電圧が印加されている形跡はありません。初段の球3本は初期に幾分高い電圧が印加されますが、+10%の動作上の許容範囲にも入っています。
このラジオは健全と言えると思います。
参考: 一木吉典著 [全日本真空管マニュアル 1961年版」ラジオ技術社
(JF1VRR)