VR150MT 定電圧放電管
投稿日 2015/06/04
VR150MT(0A2) 定電圧放電管
左から東芝、三菱、TEN製
いずれも中古だが、三菱製は真空管専門店で新品を購入ししばらくVFOで使用
ほかの二本はOMにいただいたもの
VR150MTは別名0A2とも呼ばれる定電圧放電管です。この放電管は一般の真空管と異なり熱電子放出を利用しないためヒーター等の熱源はありませんし、電極は2極ですので冷陰極二極放電管ともいいます。
VR150MTは電極間電圧が150V 放電電流範囲5 - 30mA、放電開始電圧 180Vです。安定した150V(付近)を得るための放電管です。
このシリーズには電極間電圧が75VのVR75MT, 105VのVR105MTもあります。名前のとおりすべてMT管です。
ほかにGT管タイプ、古くはST管等もあります。
放電開始電圧以上の電圧をプレートに加えると、薄紫色に光り、放電していることが見て取れます。
名前の通り、電源電圧の変動を安定化させる効果があります。このため安定なB電源が必要な発振器(VFOなど)に使われます。
当局は昔50MHz AM送信機を製作した際、VFOに使用しました。今でもその球(三菱製)が残っています。
その後OMからTEN製、東芝製をいただき、計3本(いずれもVR150MT)保有しています。
今回はその三本を計測してみました。
B電源(Vb)を負荷抵抗(20KΩ)を通してプレートにつなぎました。カソードはグランドに落しました。
Vbを0から400Vまで可変し、プレート電圧(Vp)とプレート電流(Ip)を計測しました。
VR150MT 冷陰極二極放電管 規格抜粋
電極間電圧 150V
放電開始電圧 180V
放電電流 5 ~ 30mA
電圧変動範囲 6V
VR150MT 東芝、TEN、三菱製のVb-Vp,Ip特性
Vbが160V以上になるとVpが150V付近で安定しているのがわかる
VR150MT 東芝、TEN、三菱製のVb-Vp,Ip特性
Vbが160Vから400Vまでの範囲を拡大
VpはVbが160Vくらいから安定し始めるようです。企画では180Vからですが。
メーカーによって安定後の電圧に若干の違いがあります。ただし放電させたまましばらく放置してエージングすると少し変わってくるものと思われます。
150Vからの平均誤差(Vb 160 - 400V)
東芝製 1.908V
TEN製 3.054V
三菱製 0.108V
今回の実測結果では三菱製が優秀ということになります。
ご注意
3メーカーのVR150MTを実測していますが、この実測結果は当局所有の中古の個体における計測結果ですので、メーカーを比較しているわけではありません。
VR150MT 東芝 No.36
VR150MT TEN No.199
VR150MT 三菱 No.8
(JF1VRR)