DSW-II-40
投稿日 2010/01/17
Small Wonder LabsのQRPトランシーバDSW-II-40を入手しましたので、早速使用してみました。
エレクラフトのKX-1や、中国版のトランシーバも2万円前後で出ていますが、
シンプルさ、消費電力の少なさ、作りの頑強さ、価格などを考慮して
DSW-IIをオークションで購入しました。
受信部:シングルスーパーヘテロダイン
送信部:DDSダイレクト発振
ファイナル:2SC1971
フルブレークイン
送信出力:02-4W
送受信周波数:7MHz
中間周波数:4MHz
XTALフィルター帯域:500Hz
周波数ダイヤルステップ:200Hz
RIT機能:50Hz
Sメーター:無し
AGC:無し
エレキー:内蔵(ストレートキーにも対応)
オーディオ出力:ヘッドホン端子(スピーカー無し)
電源:8-15V 受信時約40mA [受信]
アンテナとヘッドホンを繋ぎ、電源を入れます。
土曜日の午後で、国内QSOがいくつか聞こえます。
最初に感じたのは、ノイズが少なく静かという印象。
ダイヤルを回すと、CWの信号が浮かび上がるように聞こえてきます。
ノイズは、一般のトランシーバが「ザー」という感じなら、DSW-IIは「サー」という感じ。
ダイヤルは200Hz/ステップのため、ちょっと粗い感じは否めません。
このため好みの受信音にできないこともあります。
その場合はRITをオンにして50Hzステップで調整します。
AGCが無いので、強い局が突然大きく聞こえることがありますが、
ゲインボリュームで調整できます。
ひとつの局でも、受信中にかなり信号強度が上下します。
それをゲインボリュームで手動調整します。
AGC付きの高級トランシーバは、ゲインをうまく調整してくれているんだと実感しました。
送信は電源電圧12Vで、約2W出ています。
仕様では4Wなので、タンク回路の同調ミスマッチかも知れません。
完全なフルブレークインです。リレー等はありませんので、快適です。 [回路]
DDS AD9835でダイレクトに送信周波数を発振します。
受信部はシングルスーパーヘテロダインで、SA602を使用した
いたってシンプルな作りです。
受信周波数はDDSの11MHz代の発振とMIXして、中間周波数4MHzに変換し、
帯域500HzのXTALフィルターを経由して、
4MHzのXTALで800Hzのオーディオ周波数に変換します。
コントロールはPIC 16C622Aで、DDSの制御、エレキー機能を司ります。
[操作面]電源SWが無いのはお愛きょうでしょうか。
受信周波数の初期値は7.040Mhz(または7.110MHz)です。
このため日本国内でよく使用される7.010MHz付近へは、
ダイヤルを回して合わせる必要があり、これが結構面倒です。
ダイヤルはクリックがあるタイプで、200Hz/ステップです。
100Hzくらいでないと、ちょっと粗い感があります。
RITオンで受信周波数を50Hz/ステップで変えられます。
Sメータは無いので、完全に耳Sです。
周波数表示が無い代わりに、スイッチを押すとCWで読み上げます。
エレキーの速度は初期値20WPMですが、5から50WPMの範囲で変えられます。
パドルは、リバースできます。
ストレートキーも使えます。
チューニング用に送信固定にできます。
バックパネルの半固定抵抗で、0.1Wから4Wまで可変できます。 [機構]
作りは非常に頑強です。
ケースの上蓋が外しにくい難点はあるものの、
全体的にこじんまりと収まっています。
フラットケーブル以外、ワイヤー配線はありません。
手を近づけても、周波数がふらつくようなことはまったくなく、安定しています。
一般的なVFOだとこうはいきません。
IC類はすべてソケットに差し込まれています。
PIC 16C622Aも交換可能ですので、もう少し性能のよいピン配置が同じPICに、
交換してみるのもよいかも知れません。
DDSがAD9835ですが、これをAD9834に変更すると、もう少し低消費電力になると思います。
(JF1VRR)