ピコにエレキーを組み込む
2026年08月10日

MX-6S QRP 50MHz SSB/CW トランシーバ ピコ6
CW運用時はリアパネルのSSB-CWスイッチをCWにし、
KEYジャックにストレートキーをつないで、プレストークスイッチを押しながら打鍵する。
いわゆる半自動セミブレークイン
フロントパネルにある黒い押しボタンスイッチでも打鍵できる
送信時はSEND LEDが点灯する
一世を風靡したミズホ通信のQRPトランシーバ ピコシリーズには簡単なキーヤーが付いていますが、エレキーは内蔵されていません。リアパネルにはキー用のジャックがあるので、外付けのストレートキーも使えます。みずほ通信から外付けのキーユニット(CW-2S)が販売されていましたが、これもエレキーではありません。
当局はピコシリーズの50MHz(6メーター)モデルMX-6S、通称ピコ6を所有しています。CW-2Sも所有していましたが、誰かに譲ったのか今はありません。せっかくのQRPトランシーバですので、エレキーで快適に運用したいものです。
そこで今回はPICマイコンを使って超小型のエレキーを製作して組み込むことにしました。プログラム自体はもう10年以上も前に作ったもので、IC-371などに組み込んで使ってきたものですが、それをピコ用にセミブレークイン化して組み込むことにしました。使用マイコンはPIC 12F1822です。サイドトーンはあまり音がよくありませんが、ブザーを使い、ピコのアンプやスピーカーは使っていません。打鍵スピードを2種(HIGH/LOW)から選べるようにジャンパを用意しました。
PIC 12F1822は8ピンの小型マイコンですが、小型で安価ながら多機能ですので愛用されている方も多いかと思います。ただ、今回はADコンバータなどは使わず、GPIO 6本(RA0からRA5)とタイマーを使っただけです。GPIOはパドルのDotとDash、サイドトーン・ブザー、TX_Out、R/T切換(送受切替)、そしてキーイングスピードLOW/HIGH切替に割り当てています。スピードLOW/HIGH切替は、ジャンパピンによる簡易なものです。このため切り替えるときはピコのケースを開けてジャンパを抜き差ししなければなりません。回路は以下のようになりました。

PIC 12F1822のRA0からRA5の6本のGPIOすべてを使っています。このうちRA3(MCLR)は入力のみです。PICのコンフィグレーションでMCLR = OFFにしておきRA3をGPIOとして使えるように設定します。次のように割り当てました。
TX_Out RA0(CSPDAT) : [出力] キー出力
R/T RA1(CSPCLK) : [入力] セミブレークインのための送受切替
サイドトーン・ブザー RA2 : [出力] サイドトーンのブザー
スピードLOW/HIGH切替 RA3(MCLR) : [入力] ピンヘッダで打鍵スピードをHIGH/LOW切替
パドルのDash RA4 [入力]
パドルのDot RA5 [入力]
TX_KeyとRTは2SC1815を使用しオープンコレクタとします。電源はピコの9Vなので78L05で5Vに落としています。サイドトーンはピコのスピーカーは使わずブザーを用意しました。

ピコの配線変更
リアパネルのKEYソケットはステレオタイプ(3P)なのでそのままパドル用に使用
RTを送受切替回路に接続、TX_KEYはINT KEYと並列に接続
ところでピコでのCW運用ですが、前述のとおりフロントパネルに小さなプッシュスイッチがあります。これはいわゆる簡易ストレートキーです。ピコの場合リアパネルのCW-SSBスイッチをCWにしておき、プレストークスイッチを押して送信状態にしながらプッシュスイッを叩くとCWが運用できます。つまり手押しのセミブレークインです。エレキーを組み込む場合もセミブレークインにしなくてはならないので、モールス信号の送出中は送信にし、打鍵が終わったら一定のディレイタイムの後受信状態に戻さまければなりません。このためRT(送受切替)信号が必要です。ディレータイムは、300msとしましたが、打鍵スピードとトランシーバの反応、好みなどの兼ね合いで決める必要があります。

小型の基板に組んでみた
電池ボックス上部のノイズブランカのスペースに入れたかったが、ブザーが大きいのであきらめ電池ボックスを占有
見えている同軸ケーブルは外部VFO用のもの
組み立ては小型基板を使用しました。もっと小型にしたかったのですが、基板の加工がめんどうなのとブザーが大きいので、ノイズブランカの組み込みスペースに置くのをあきらめ、電池ボックスに置きました。

"PARIS"を打鍵したところ
CH1(上)はTX_KEY、CH2(下)はRT信号の波形(PICのポートで観測 トランシーバ側は論理が逆になる)
"PARIS"で3秒なので約20WPM
SPEEDをLOWに切り替えると約17WPM
最後の送信からRTがLOWになるまでのディレータイムは300ms
TX_KEYとRTの波形を観測してみました。DotとDashは1:3になっています。打鍵スピードはHIGHが約20WPM、LOWが約17WPMとなっています。
これでピコのCWをエレキーで楽しむことができるようになりました。
(JF1VRR)

