6FQ7と12BH7Aの直線性の比較
投稿日 2010/10/04
真空管の直線性はEp-Ip特性を見れば大まかのことはわかりますが、固体を比較検討する場合などには、少々心もとないものです。
そこで動伝達特性(最後のグラフ)を描いてみました。
動伝達特性は、Egに対するEp変化の直線性、入出力(EgとEp)の関係が一目でわかり便利かと思います。
動伝達特性は、下記のような回路でプレート負荷をかけ、一定のEbを加えておいて、Egを変化させることにより、Epがどのように変化するかをプロットしたものです。
動伝達特性計測回路
PL:プレート負荷
Eb:プレート電源 (B電源)
Ep:プレート電圧
Eg:コントロールグリッド電圧
Ep-Ip特性は下の図のように、一般的に右にいくほど(高Epほど)、および下方の少Ipの領域では間隔が狭まるので、動伝達特性も直線にはなりません。
直線性のよいところの中央にバイアス電圧をもってくる必要があります。
12BH7AのEp-Ip特性
6FQ7のEp-Ip特性
今回はプレート負荷を50KΩとし、Eb 250Vにおける特性を調べてみました。
Egは-20Vから0Vまで-1Vステップで変化させます。
さて、6FQ7と12BH7Aのどちらが直線性がよいでしょうか?
動伝達特性 12BH7A と 6FQ7の比較
負荷50KΩ Eb 250V Eg -20 - 0V/-1V
上の動伝達特性のグラフを見ると、
12BH7Aは2つのユニットの特性がずいぶん異なっていることが分かります。
UNIT 1は直線性がよいのですが、UNIT 2は全体的に丸くなっており、ひずみ率のよい増幅は望めないかと思います。
その点、6FQ7はぴったり重なっており、ほぼ同じ特性と言えます。このような球はプッシュプル等で安心して使えそうです。
直線性については6FQ7のほうが優れているようです。(グラフをペイントなどにコピーし右下から直線をなるべく重なるように引いてみてください。)
増幅率は6FQ7で約16倍となっています。
備考:
12BH7Aは中古 使用時間不明 メーカ不明
6FQ7は新品 ナショナル製
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(JF1VRR)