10DE7(6DE7) 異特性複合三極管の特性を計測する
投稿日 2010/10/30
10DE7 複三極管
10DE7 東芝 異特性複合三極管
左と右のユニットでプレート形状が異なっているのが分かる
左の細いプレートがユニット1、右の太いほうがユニット2
メーカ:東芝
管理番号:104
程度:新品 使用時間0h 未エージング(開封してすぐ計測)、特性は良好
計測項目:三極ユニット1、および2のEp-Ip特性, Eg-Ip特性、Eg-Ep特性
10DE7は特性の異なる二つの三極管の複合管です。
ヒータバリエーションは、6DE7, 10DE7, 13DE7の3種類です。
ユニット1は、テレビの垂直偏向発振用で、プレート損失は1.5W、増幅率μが17.5の中ミュー管です。
一方、ユニット2は垂直偏向増幅用で、プレート損失が7Wもあり、μが6.0の低ミュー管です。
ドライバと出力段がパックになったような球なので、自作オーディオアンプなどに採用されることがあるようです。(13DE7を用いたウィリアムソンアンプの製作例)
この球はまた、大食漢でヒータ電圧6.3Vの6DE7で900mAも流れます。(10DE7は600mA) 12BH7Aの6.3V点火で600mA、6BM8でも780mAですから、かなり大食いなのが分かります。
UNIT1 Ep 250V Eg -11V
規格参考値 実測値
Ip(A): 5.5mA 3.3mA
rp(Ω): 8750 10000
gm(mS): 2 2
μ: 17.5 17.5
UNIT2 Ep 150V Eg -17.5V
規格参考値 実測値
Ip(A): 35.0mA 33.5mA
rp(Ω): 925 1290
gm(mS): 6.5 5.0
μ: 6 6
規格参考値は、SYLVAMIA TUBE DATAより
考察:
今回は算出ではなく、グラフから読み取りました。(あまり正確ではありません)
各ユニットのIp,三定数は、規格参考値からの大きなかい離はありません。こんなものでしょう。
ただし、UNIT1のIpがあまり流れません。(5.5mA -> 3.3mA)
以下は各ユニットEp-Ip特性、Eg-Ip特性、Eg-Ep特性です。
UNIT1 ,2とも良好といえます。
UNIT1
Ep_Ip 10DE7 UNIT 1 Pp 1.5W
三定数はグラフからの読み取りで、⊿も大きいので正確ではありません。
Eg_Ip 10DE7 UNIT 1 Ip Limit 0.02A
Eg_Ep 10DE7 UNIT 1
UNIT2
Ep_Ip 10DE7 UNIT 2 Pp 5.0W
三定数はグラフからの読み取りで、⊿も大きいので正確ではありません。
Eg_Ip 10DE7 UNIT 2 Ip Limit 0.03A
Eg_Ep 10DE7 UNIT 2
ご注意:
真空管について熟知しているわけではないので、間違いがあるかも知れません。参考程度としてください。このデータに関連した被害や損害の補償はいっさいできません。
(JF1VRR)