7DJ8のヒータ6.3V点火による影響

投稿日 2010/11/17

​7DJ8はヒータ電圧が7.2Vですが、この電圧はオーディオアンプ等では扱いにくい電圧です。そこで6.3V点火した場合の特性への影響を計測してみました。

結論としては十分使える範囲ではないかと思います。

6.3Vは正規の7.2Vの87.5%に当たります。

真空管はヒータ電圧の変化による影響は結構大きく現れます。

12BH7Aで調べたデータがあるので、ご参照ください。ヒータ電圧の特性への影響 12BH7A

6.3Vと7.2V点火の場合のエミッションは以下のようになりました。

7DJ8 ヒータ電圧6.2Vと7.2Vのエミッション

以下にEp-Ip特性への影響を計測しました。

7DJ8 Ep-Ip特性 Eh 7.2V vs 6.3V

この結果は、個体差やメーカのロット差などの範囲に収まっていると言ってもいいのではないかと思います。(厳密な影響は分かりませんが)

三定数への影響は、
rpの増加、gmの減少となって現れます。
7.2V点火時のgm 10msに対して、6.3V点火では8.2mS
rpは2900Ωに対して3333Ωとなりました。

歪率のシミュレーションでは、Ep 250V バイアス-3V 入力電圧1Vにおいて、7.2V点火時が0.51%に対して、6.3V点火では0.59%と若干悪化しますが、依然すばらしい直線性です。

以上の結果から6.3V点火してもあまり影響は出ないのではないかと思います。また、寿命が延びる効用があるかも知れません。

7DJ8 (6DJ8) 実測データ (10) Triode UNIT 1 Eh 6.3Vも参照してください。

備考:
この計測はすべて直流点火です。

(JF1VRR)

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