愛唱歌集の思い出

投稿日 2024年7月14日

小学校や中学校の思い出として「生徒手帳」や「愛唱歌集」を残しておけばよかったと、今更ながら後悔している。

「生徒手帳」には校歌が載っていて、おそらく朝礼などで皆で合唱するとき、それを見ながら歌ったこともあっただろう。校則なども載っていた。今読んだら笑えてくるような規則も書かれていたかもしれない。

「愛唱歌集」は小さなハンディータイプで、少し分厚く、様々な愛唱歌が載っていた。小学校の三四年生の担任の先生は面白い人で、毎朝授業の前に生徒を音楽室に集め、オルガンを弾きながら歌を歌わせた。いろいろな愛唱歌を歌ったが、たとえば「ともしび」などが印象に残っている。ソビエト/ロシアの歌は結構多かったように思う。どこか悲しそうな雰囲気が漂っているのを子供でも感じていた。

「マスラオ」って何だろうとか、「乙女の愛の影」とか...、何だろうと思いながら歌ったものである。

「愛唱歌集」には楽譜と歌詞も載っていた。外国の曲は歌詞の発音がカタカナで書いてあったものもあった。中学生の愛唱歌集だったか、例えばべートーベンの第九の「喜びの歌」などはドイツ語の発音がカタカナで書いてあった。フロイデーツェーネル ゲッテルフンケン......だったか、音楽でひとりずつ何でもいいから一曲歌うという授業があった。わたしはこのとき「喜びの歌」をドイツ語(風)で歌った。どう評価されたかは覚えていないが.....。

そんななつかしい「愛唱歌集」がメルカリやオークションに出品されていないか探してみた。しかし、私のイメージにあるものと似たものは見つからなかった。仕方が無いので、イメージとは違うが購入してみた。昭和六十年ごろの長野県高等学校の愛唱歌集である。

当然ながら、長野県歌の「信濃の国」から始まっている。並びは国別で、日本、アメリカ、イギリス、イタリア、スイス、ソビエト/ロシア、ドイツ、チェコスロバキア、フランス、その他の国の歌が収録されており、楽譜も付いている。国ごとになっているので、「ああ、この歌はイギリスの歌だったんだと」、改めて知ったりして面白い。

昭和六十年ごろと言えば、私が小中学生だったころよりずいぶん新しいので、載っている歌も幾分新しいようだ。たとえばイルカの「なごり雪」などが載っている。しかし、昔からの懐かしい歌も多く載っている。たとえば日本の歌は、

いつかある日  いつかあるひやまでしんだら...
宵待草  まてどくらせどこぬひとと...
学生時代  つたのからまるチャペルで...
荒城の月  はるこうろうのはなのえん...
赤とんぼ  ゆうやけこやけのあかとんぼ...
どこまでも行こう  どこまでもゆこうみちはきびしくとも...
風  ひとはだれもただひとりたびにでて...
戦争を知らない子供たち  せんそうがおわってぼくらはうまれた...
誰もいない海  いまはもうあき だれもいないうみ...
手のひらを太陽に  ぼくらはみんないきている いきているから...
この道  このみちはいつかきたみち...
遠くへ行きたい  しらないまちをあるいてみたい...
夏の思い出  なつがくればおもいだす はるかなおぜ...
花嫁  はなよめはよぎしゃにのって...
やしの実  なもしらぬとおいしまより...
四季の歌  はるをあいするひとは こころひろきひと...
ふるさと  うさぎおいしかのやま...
雪の降る町を  ゆきのふるまちを...
ペチカ  ゆきのふるよはたのしいパチカ...
山男の歌  むすめさんよくきけよ...
若者たち  きみのゆくみちは はてしなくとおい...
遠い世界に  遠い世界にたびにでよう...
などなど、

ギターで伴奏できるようコード進行も記載されている曲もある。

(雅熊)

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