タツナミソウ

投稿日 2018年06月06日

立浪草と書く。字のごとく波が立っている様子を表している。迎え梅雨の頃の花である。

私はこの花がタツナミソウと知って、葛飾北斎 富嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」を思い出したが、どうだろうか。

それとも頭に蛇をうじゃうじゃさせたギリシャ神話のメドゥーサであろうか。花ひとつひとつが鎌首をもたげた蛇? いや、こんなかわいい花に、それはないだろう。

これを命名した人は水の湧き立つようなしぶきを想像したのだろうか。その感性に驚かされる。

このタツナミソウは、先日登った埼玉県秩父市 武甲山の近くの山で見かけた。

杉植林の林床であったが、岩の隙間に根を下ろして、この一株だけがぽつんと咲いていた。水の条件には大変厳しい環境と思うが、岩の下にまで根を伸ばして、けっして乾かない条件を手に入れているのだろうか。

このタツナミソウもいろいろバリエーションがあるようだが、分類上の本当の名前はわからないが、まぁ、タツナミソウでいいだろう。いつまでもここで命をつないでほしいものだ。

(熊五郎)

コメント(2)

  • 「波が立っている」というところを読むと同時に北斎の波頭を思い浮かべました。「ああやっぱり」と思いました。 (agewisdom) 2018/6/6(水) 午前 10:09
  • > agewisdomさん そうですよね。水のしぶきを連想させます。(熊五郎) 2018/6/6(水) 午前 10:22

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