ヨメナ
投稿日 2017年10月12日
先日低山を歩いた。
初秋の山は、まだまだ緑が濃かった。
誰も通らない古道をとぼとぼと行く。
虫はむろん盛んに鳴いているが、よく聴くと林の中で蝉らしい鳴き声もまだ聞こえてくる。
次のカーブの先はどうなってるのだろうと考えながら歩いていたら、お地蔵さまがぽつりと立っていた。
頭に蜘蛛の巣が引っ掛かる。
大きな蜘蛛が頭から背中に入ったかと思って、糸をあわてて取り除く。この時期の女郎蜘蛛はかなり大きくなっている。
その奇妙な踊りを見て、お地蔵さまはさぞおかしかっただろう。
空は高く青いが一部しか見えない。
林の中はなかなか陽が届かないが、道の両端にはたっぷりと陽が降り注ぐ。
そんな日だまりのような道脇にヨメナが咲いていた。
ヨメナと聞くと、懐かしい響きがある。
ほんとうは似た花はすべて野菊と思っていたのだが、帰って調べてみるとヨメナらしい。嫁菜と書く。
このような自然の花はどこか不完全に見える。花弁が抜けおちたように見え、不揃いだ。これは不完全な美と言うべきか。
自然は深い。
(熊五郎)
コメント(4)
- 嫁菜、聞いたことあるけれど、みたことなかったです。 (agewisdom) 2017/10/12(木) 午後 4:02
- > agewisdomさん 河原などでよく見かけますね。女の子が摘んでいると、よく似合います。(熊五郎) 2017/10/12(木) 午後 4:17
- なんか食べられそうな気がしますがどうなのかしら?よもぎと語呂が似ているせいかなあ? (agewisdom) 2017/10/12(木) 午後 11:57
- > agewisdomさん 調べてみたら食べられるようです。ただヨメナはおいしいが、カントウヨメナはあまりおいしくないようです。さて、どちらでしょうか。(熊五郎) 2017/10/13(金) 午前 5:25