イチモンジチョウ(一文字蝶)
投稿日 2018年09月18日
埼玉県小鹿野町両神薄のダリア園にて
ダリアの写真を整理していたら、イチモンジチョウの写真を見つけた。
昨年の今頃、埼玉県小鹿野町両神にあるダリア園で偶然飛んできてダリアの花にとまったのを撮ったものだ。
蝶は家の庭でも見かけるが、その種類は限られている。畑が多いからモンシロチョウは言うに及ばず、柑橘系の木がある庭も多いせいか、意外とアゲハチョうもよく見かける。今くらいの季節になると、茶色で小さいイチモンジセセリもよく見かける。稲田が近くにあるせいだろう。そのイチモンジセセリの飛ぶ速度は蝶の中でも最高速と言う。
それはさておき、山には多種多様な植物があるわけだから、チョウの類も自然多く、さまざまな蝶を見かける。ただしなかなか写真にはおさめられない。里に近い低山に多いが、驚くべきは3000m級の高山でも蝶は盛んに舞っている。
イチモンジチョウは里山で時々見かける蝶で、その模様からはっきりイチモンジチョウと同定できる。ただし、模様の少し違うイチモンジチョウもあって、亜種のような分類もあるようだ。写真のイチモンジチョウとほとんど同じものがネットにあがっているだろう思い検索してみたが、意外に同じものは皆無である。
白い筋の位置や形、朱色の出具合など。微妙に違うのだ。羽を閉じた裏面においては、もっと模様が複雑で、まるっきり違うと言っても過言ではない。つまり、蝶の模様は個体差が大きいのだ。
例えば岩石などはその典型で、それを構成する鉱物やその結晶の大きさなどで分類しているようだが、そもそも含まれる鉱物の量と結晶の大きさは連続的ではっきりした境目がない。流紋岩に近い花崗岩もあれば、花崗岩に近い流紋岩もある。どっちつかずも多いはずだが、便宜的に流紋岩と花崗岩に分けている。しかしどっちとも言えない岩石も多いはずだ。
思うに何の分類学においてもそうであるように、どこに注目して分類するのかを決めることは大きな仕事である。まぁ言えば統一的に出る形質をいかに見極めるかであろうか。それは凡人にはできない、学者脳の業であろう。
昨年のこの蝶は昨年の秋にその命を終えたであろうが、いまごろ同じ場所をその子孫が飛んでいると思う。そう考えると、今年飛んでいる蝶がイチモンジチョウという蝶のひとつの種であることを確認して種が続いていることを確認することはとても重要だと感じる。
(熊五郎)
コメント(2)
- 最近この辺りで蝶を見なくなりました。今年は特に少なかったです。一文字の白線。きれいですねえ。 (agewisdom) 2018/9/18(火) 午後 3:50
- > agewisdomさん 蝶の模様はいつ見ても感心させられます。なぜあのように繊細で微妙な色や模様を必要とするのでしょうか。自然とは面白いものですね。(熊五郎) 2018/9/20(木) 午前 9:26