なぜ山に登るのですか
投稿日 2009年07月24日
人はなぜ山に登るのでしょうか。(大阪弁:なんで山に登るんやろなぁ)
「そこに山があるからだ」この答えは非常に意味深いものと思います。
あんまり深く考えなくても..... 楽しければいいんじゃないの。
と、おっしゃるかも知れませんね。
楽しいから登る。これもひとつの明快な答えです。
でも、ただ楽しければ....の延長でいくと、楽しいから海に行く、楽しいからお台場に行く、
楽しいから東京タワーに登る(いや上る?) と、いくらでもあります。
じゃぁストレス発散?....これは山に失礼かも知れませんね。私に言わせれば山にストレスを捨てに行かないでほしい。と、言いたいところです。
谷川岳清水峠付近
問題は「なぜ山か」です。
わたしもたまに海に行きたくなります。東京で遊ぶのも好きです。
しかし、かならず思いは山に帰ります。
質問を確認します。「人はなぜ山に登るのですか」
でも、登らない人。まったく山に興味の無い人がいるのも確かです。
ですから。この質問は「山に登る人は、なぜ山に登るのですか」と言い換えたほうがいいですね。
まぁ、ややこしいので「人(あなた)はなぜ山に登るのですか」ということにしましょう。
そろそろ私の答えを言います。
それは、「山に惹(ひ)かれる」からです。
山のどこに惹かれるのか。
山の全体的な雰囲気。樹林のにおい。きらめく沢の流れ。山上のすがすがしさ。大気感。生き物との出会い。花の出迎え。(自分にとっての)未知のルート。ルートファインディング。信仰の気配。静けさetc。
これは「山は楽しいから」という一言では言い表せません。
海に惹かれる人も居るんじゃないの......勿論です。山にも、海にも惹かれるという人もいるでしょう。しかし、なぜか「山にだけに」惹かれるという人も多いはずです。
なぜ、山か?
それはたぶん、現実的な事ですが、比較的危険度が少ない。特に日本は山が近い。技術レベルの範囲が広く楽しみ方が多様。足が地面に付いている安心感。ルート図など資料、データが多く初心者でも入れる。などの要素があるからと思います。それだけ身近だということでしょうか
谷川岳清水峠付近
そろそろまとめます。
「なぜ山に登るのですか」と聞かれたら、私は「山に惹かれるから」と答えます。かっこよく言えば「そこに山があるから」です。
生活道具のすべてを背負い、計画したルートを歩き、そこですばらしい風景や、動物、花と出会う。生きていることを実感し、自分も自然の一部であることを感じる。行こうと思えばいつでも行ける。山はすぐ近くで待ってくれています。
山が好きでたまらない、つまり「山屋」です。ハイ
P.S 最近感じることがあります。それは山は昔からその姿で変わらず存在するということです。昔登った山、昔辿ったルートなど、ほとんど変わりなくそこに存在します。登り残したルートも、そのまま存在します。昔辿ったルートを再び辿れば、若い日の自分に会えるかもしれません。登り残したルートを登れば、知らなかった山を発見できるかも知れません。
山は限りない魅力であふれています。
あなたは、なぜ山に登るのですか?
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(熊五郎)
コメント(2)
- 25日の熊五郎氏の「なぜ山に登るのか?」興味深く拝読しました。特に「地に足が着いている」という下りには成る程と納得しました。小生もよく聞かれます。格好つけて答える時は「山登りは人生の縮図。楽なルートを選ぶ事も、ギブアップして下山して温泉に逃げる事も出来る。しかし、それらの誘惑を振り切って山頂に立つ=成功を収めた時の達成感は人生の上で役に立つ」と答えます。
しかし、やはり「山に惹かれる」という熊五郎氏の一言につきますね。樹林帯のオゾンの香り、稜線の爽快感はかけがえのない癒やしです。また氷点下の天幕場で見上げる無数の星や飛び交う人工衛星の軌跡。地上では絶対に見られません。
ちなみに、小生は海で溺れかけた事かあるので、マリンレジャーには関心はありませんが、波打ち際で和むのは好きです。【寸止めの政】 [ - ] 2009/7/29(水) 午後 9:04 - 寸止めの政さん、いつもコメントありがとうございます。最近若い人と山に登る機会があり、末永く山を好きになってもらうために、「分厚い小説を1ページずつ読み進むように、山に登ってほしい。」と話しておきました。山はそういうもんだと思っています。私もまだその小説は読みきっていません。いや一生かけても読みきれないのかも知れません。【早撃ちの政】 2009/7/29(水) 午後 10:33