両見山付近からの両神山
投稿日 2017年10月16日
他人が撮った風景写真。それがどこから撮ったものかを探るのは、非常に興味深いことだ。変なことに深く入り込むと問題だが、山岳写真なら問題ないだろう。
その写真がどこから撮られたものだろうと考えながら、想定した場所に行ってみることは楽しいことだ。
今回は、あるホームページに掲載されている山の写真が、ある場所からのものではないかと想定して、実際に登ってみた。ところが、期待を裏切られたので、原因を調べてみた。
先日両神山近くの山に登った。
関連記事: 三合落(さんこつ)
歩いたルートの中に両神薄(すすき)の金剛院という寺がある。その寺の上にある748mのピークは「両見山」(りょうけんさん)と呼ばれている。(登山用の地図では南の1115.1mのピークを両見山としているが、三合落の間違いのようだ)
両見山(両神山が見える山と解釈)というからには、この748mのピークからの両神山の眺めは最高だろうと期待して、上の登山を計画した。(三合落に登ることが第一の目的だったが、両見山から両神山を眺めることが私の秘かな愉しみだった。)
ところが現地(両見山山頂)に行ってみると、植林帯で、杉が大きく育っていて両神山はおろか何も見えなかった。ガックリきて、その場を早々に通過した。両神が見えたのは昔のことだったのかもしれない。(木が無かったら最高の両神山の展望台だろう。)
山頂からの展望は数十年もすればすっかり変わる。それは分かっているが、なぜ、それでも展望を期待したかというと、単に両見山という名前だけからではない。両神山のある埼玉県の小鹿野町のホームページに、その両見山からのものと思われる写真(勝手に思い込んだのだが)があるからだった。その写真はここに掲載できないが、小鹿野町のふるさと納税のページ(2017/10時点)を飾る写真だ。
この眺めを期待した訳なのだが........。杉木立でまったく見えない。
このように完全に植林の中
通過して振り返って撮影
両見山を通過した後、すぐに林道に降り立ち、金剛院方面から浦島の集落へと歩いて下山した。
そして、その道すがら考えた。
この林道は地図に載っていない。しかし舗装された林道はきっと「日陰」から伸びている林道とつながっているに違いないと。つまり両神が見える西面を通っている林道にビューポイントがあるのかも知れないと。
そこで帰宅後、国土地理院以外の地図で調べたところ、下記のように林道が存在、つながっていることが分かった。(青線)
小鹿野町のホームページの写真は、誰が撮ったかはわからないが、よく考えてみたらわざわざ山に登って撮るか? 林道に車を止めてパチリとやったのではないか。そう思えてきた。
両見山からはその名前の通り両神山の展望を期待したが植林で見えず。
小鹿野町のホームページの写真は、地図に示した地点がビューポイントだ
そして、その林道に合わせてビューポイントをカシミール3Dで探ってみると、地図の矢印の点であることが分かった。両見山の西斜面。両見山よりも約90m低い、標高約660mの地点からだった。(あくまでも想定。現地確認はしていない)
だから何だと言われると何も言えないが、「ちょっとした興味が登山を面白くする。」とだけは言えそうだ。
カシミール3Dの可視バードで作画してみた。
16mmレンズで撮影し、約28mmレンズの画角をハイライト 地表からの高度1m
奥に両神山 中央谷合奥が日向大谷 右の小さな双峰は二子山
自分が撮った写真は撮った場所は分かっている。だが他人が撮った写真は、たまに今回の様に興味をそそられる場合がある。一見何の変哲もない風景写真だが、山に登るものにとっては宝物となる。雑誌に掲載される写真などでも同じことが言える。
一般的にどこで撮った写真かに興味がそそがれるのは昔の家族写真でも言える。バックに写っている景色から、あそこか? ここか?といろいろ考えるが、確定はできない。そこで昔の旅行をトレースするしかない。そして、そのような旅も面白い。
私事だが、父の遺影に使われた写真がどこで撮られたものか今でもわからない。バックの山の風景が広範囲には写っていないからだ。家族が撮った写真ではないようで、続きの他の写真も見当たらない。はたして、写真の中の父は、どこに立って、どのような景色を前にして微笑んでいるのだろうか。わかれば行ってみたいのに。
(熊五郎)
- ウ~ンこれは素人には無理。 (agewisdom) 2017/10/16(月) 午後 4:29
- > agewisdomさん説明が下手ですよね。現地のことをある程度わかっていないとわかりにくいと思います。(熊五郎) 2017/10/16(月) 午後 7:14