クモキリソウ

投稿日 2024年06月14日

ラン科のクモキリソウ。初めて見たときは、若い頃見た「ツバメオモト」がすぐに思い浮かんだ。もちろん、ツバメオモトの花はまったく違うが、クモキリソウがラン科とは知らず、真ん中から飛び出た長い柄の上にある緑色のものが、花が結実したものだと思い、咲き終わったツバメオモトと思い込んでいたからだ。その緑色のものは正に開花中のクモキリソウの花(アオグモ)だった。

日本全国に分布するこの植物が、いままでの登山で気が付かなかったのは偶然なのか。妻と訪れた秩父の渓谷での、突然の出会いだった。

埼玉県秩父市日野 川浦谷渓谷にて
2024年6月12日撮影

沢の流れのすぐそばの一段上がったところに一株を見つけた。杉の落ち葉や苔に覆われたすこし湿っぽいところだった。見た範囲ではほかの個体は無かったと思う。

葉は対生で周囲にちじれのような少しギザギザがあり、縦の葉脈がある。真ん中に葉を二つに折ったような深い葉脈がある。やや艶があるが、厚みはあまり感じられない。中心からすっくと伸びた花柄に緑色の花を付けている。地味だがラン科と思えば納得もできる。先端はまだ蕾だろうか。このクモキリソウは緑色の花なので、アオグモというらしいが、他に暗い紫色のクログモもあるらしい。また、よく似ている「じがばちそう」は、葉脈に網目状が見えるので区別できる。

牧野新日本植物図鑑 p896 3582 くもきりそう Liparis Kumokiri F. Maekawa らん科

(雅熊)

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