ウスタケ(臼茸)

投稿日 2024年07月17日


先日長野県茅野市と南佐久群立科町にまたがる蓼科山に登った。前日雨が降ったようで、早朝の登山口はまだ深い霧に巻かれていた。西の空にわずかに明るい部分を見て、天気の回復を期待し歩き始めた。

笹の葉はたっぷりと水を含んで、擦って歩けば瞬く間に足はびしょぬれになる。ストックで粗方の露を落としながら、なんとかびしょぬれにならずに歩けた。今回登った女の神茶屋のルートは緩/急を三回繰り返して山頂に至る。その二段目の急登りを終えて、もうすぐ「蓼科山南西」の三角点に達しようというその手前でこのキノコを見つけた。雨上がりの山はキノコが出ていることが多いので、楽しみのひとつでもある。

登山道はシラビソの中の露岩の積み重なった急登であったが、脇の腐葉土が堆積したところに「臼茸」が出ていた。開いたばかりだろうか。かなりみずみずしい。触りはしなかったが、ねっとりとした粘液に包まれているような質感がある。色はオレンジ色で鮮やか。「臼茸」は群生していることもあるらしいが、今回はこの二固体だけだった。臼とは言え、サイズはコップくらい。そのままタンブラーにできそうなサイズだ。

牧野の新日本植物図鑑には「くろうすたけ」が登場する。このようなオレンジ色ではなく黒っぽいものも存在するようだ。

(雅熊)

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