八ヶ岳 阿弥陀岳中央稜

2024年07月24日 雨 単独

投稿日 2024年07月25日

長野県茅野市 八ヶ岳 阿弥陀岳中央稜
舟山十字路から中央稜で阿弥陀岳、御小屋尾根で下山
天候不良で中央稜の標高約2300mで撤退
緑実線:予定ルート
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
舟山十字路P 6:33
南稜ルート分岐 7:06
広河原橋 7:15
対岸に渡る赤矢印 7:22
二俣(中央稜取付き点のしゃもじ型標板) 7:50
中央稜取付き点 8:02
沢音が聞こえる 8:58
標高約2300m撤退地点 10:49 (往路を戻る)
舟山十字路P 11:22

総歩行距離 8.2km
所要時間 5時間

八ヶ岳の主峰「赤岳」の隣に鎮座する阿弥陀岳。標高は2805mと赤岳には90mほど足りませんが、どこから見てもなかなかの雄峰。その阿弥陀岳には、最も利用される行者小屋からのルートのほかに、御小屋尾根、南稜、中央稜のルートがあります。

一般ルートの御小屋尾根は美濃戸とつながるため行者小屋から登った場合に、下山ルートとしても使われるようです。一方、南陵、中央稜は一般ルートではなくバリエーション・ルートです。登山地図には描かれていません。

今回トライしたのは中央稜です。残念ながら森林限界直前の標高2300m付近で雨が強くなり、やむなく撤退となりました。このため、中央稜のアプローチについての投稿になっています。

車は「舟山十字路」に置きます。10台くらい置ける路肩の駐車スペースです。八ヶ岳の通称「はちまき道路」富士見原茅野線の八ヶ岳美術館の近くから丸山別荘地の奥へ入ります。別荘地を過ぎると細い林道となり、ゲートが見えてきたら、その手前が駐車スペースです。登山届のポストがあります。トイレはありません。

「舟山十字路」は御小屋尾根の登山口ですが、南稜、中央稜もここが起点となります。ゲートの奥に進むとすぐに御小屋尾根への道を左に分けます。さらに砂利の草生えの林道となり、奥へ続きます。コンクリートの「広河原橋」を渡ってなおも進むと、今度は「阿弥陀岳南稜」と書かれた立派な道標で南稜への道を分けます。南稜へは広河原沢を渡って対岸の立場山の尾根に取付くようです。若い頃南稜に登ったときは旭小屋側から立場山の尾根に取付いたので、この道は未確認です。

中央稜へはさらに林道を奥へと入ります。最後の砂防ダムを見てなおも進むと小平地になっており、大きな岩の側面に赤ペンキの矢印があり、広河原沢の対岸を示しています。岩ゴロの河原ですが、伏流となっていたため渡渉はありませんでした。対岸にも目印があります。ここから広河原沢の左岸を奥へ入っていきます。

奥への道は地図上で想像していた河原歩きではなく、左岸の一段上に付けられたよく踏まれた小径でした。中央稜へ向かう登山者のほかに、境界管理の方が入るようです。

明瞭な小径を辿ると再度対岸、つまり右岸に渡ります。岩にペンキの矢印や木の枝にテープがかかっていますが、ここは少しわかりにくいようです。右岸に渡っても明確な小径は続き、すぐに二俣になります。ここに「阿弥陀岳中央稜取付き」と書かれたしゃもじ、もしくはおろし金の形をした看板が木にかかっています。ここですぐに尾根に取り付かず、右奥へと続く小径を進みます。小径はこの辺りでも明瞭です。しばらく沢沿いに進むと、小さな石積みがあり踏み跡が左上方に登っています。小径はさらに奥へと続いていますが、おそらくロッククライマーが広河原奥の岩壁に入るのでしょう。中央稜はこのポイントを見逃さないように、取付きます。

道は樹林の急登となります。いたるところに踏み跡があるように感じますが、赤ペンキを探しながら最も安定した踏み跡を選んで登ります。しばらく登ると傾斜が緩み、シャクナゲが目立つようになります。ところどころに境界管理の四区と書かれた木片が散らばっていました。この辺りの境界管理は毎年管理木標を追加していくようですが、あまりきれいな方法ではありません。木標が散らばっています。再び傾斜が増すと木の背丈が低くなりカンバ類が増えて森林限界の気配となってきます。

ここで出発時からポツポツ降っていた雨が強くなり、しばらく様子を見ましたが、びしょ濡れで森林限界に出るのは危険と考え標高約2300mの地点で撤退することにし次回リベンジすることにしました。。最も楽しみにしていた中央稜の核心部である上部を登れなかったのは残念ですが、舟山十字路から中央稜取り付きまでのアプローチと中央稜下部の様子がよくわかりました。

撤退点のさらに上は二つの大きな露岩を巻きながら森林限界域を登り、「西の肩」御小屋尾根からの道と合流し、その先10分ほどで阿弥陀岳山頂となります。西の肩には中央稜下降点を示す道標が立っています。

帰路、はちまき道路を清里方面に車で走っているさ中、富士や甲斐駒、金峰山などの見事に晴れわたった姿がありました。トホホ!

舟山十字路の駐車スペース
10台くらい停められる
ゲートの手前に登山届ポストがある

細い草付の林道が奥へと続いている
小沢に広河原橋がかかっている

大岩の手前にある阿弥陀岳南鐐ルートの分岐点
中央稜へは林道をさらに奥へと進む

林道終点の小平地の先に対岸に渡るポイントがある
対岸に渡るよう大きな岩に書かれた赤ペンキの矢印
ここの広河原沢は伏流になっていて水の流れはない
対岸にも赤い目印がある

対岸に渡ると明瞭な小径が続いている
中央稜取付き点までこのように明瞭
二俣の手前で再び対岸に渡るが、それまで左岸を進む

二俣
しゃもじ形の板に阿弥陀岳中央稜取付きと書いてある
ここではまだ取り付かず、赤矢印に従って右奥へ進む

中央稜取付き点
赤ペンキで四区とある
ここから急登となる

シラビソの亜高山帯樹林を登る
踏み跡が複雑についているが、赤ペンキを拾いながら安全なルートを選んで登る

四区の境界管理の木標が散らばっている
急登が一段落するとシャクナゲ混じりの尾根になる

大粒の雨が降ってきた
遠くで雷も鳴っている
ここからさらに登るとカンバが混じるようになり、森林限界の様相となる
さらにしばらく登り、森林限界手前で撤退した

(雅熊)

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