万場奴郷平から桐ノ城山、オドケ山

2023年12月21日 晴れ 単独

投稿日 2024年02月29日

埼玉県秩父市吉田石間の中郷から南尾根で城峯山
表参道で男衾登山口へ下山し車道をもどる
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

群馬県多野郡神流町の万場(まんば)。利根川の支流 神流川(かんながわ)の上流部に位置する山里です。神流川を挟んで西御荷鉾山(にしみかぼやま)と父不見山(ててみえじやま)が対峙する辺り。谷筋を走る国道462号は上野村に入って299号となり長野県へと延びています。そのくねくねと曲がりくねった谷底の国道を車で走っていると、このあたりの山里は何か殺伐とした感じを受けるのですが、それは私だけでしょうか。夏の暑い時季よりは風花が舞うような寒い時季が似合う土地と思えます。

深く刻まれた谷筋ではあるが、万場の辺りは広く大きな空が見えています、神流川もゆったり流れています。そのせいか、日差しがたっぷり届くのであろう、民家はあまり高いところには並んでいません。普通ならいち早く陽光を受けるであろう一段高い斜面には畑が広がっています。そこを「奴郷平」(ぬごうだいら)といいます。

12月に入って寒風吹きすさぶこの時季。そんな時季が似合うであろう万場の山に出かけました。それは前から楽しみに残してあった桐ノ城山(きりのじょうやま)。奴郷平に登山口があります。桐ノ城山は上の御荷鉾山の稜線から派生する尾根(若神子尾根)の一ピークにすぎません。しかしこの山には名前のとおり城があったといいます。今は消えかかった遺構を残すのみですが、往時は神流川の道筋や、峠を見張っていたのでしょうか。

奴郷平からはしばらく作業道を歩きますが、途中から若神子尾根に乗り、ほぼ忠実に尾根上を行きます。この時季は落葉した木々の間から御荷鉾山や父不見山が見えていおり、足元も明るく快適です。落ち葉にやや足を取られながら高度を上げていきます。若神子山南峰、北峰、石尊山を越え、露岩が現れると桐ノ城山です。山頂は城があったとはいえ、狭く、今は石祠がさみしそうに鎮座するのみです。標高は1041m。展望もありません。なんでこんな高い場所に城があったのか不思議と言えば不思議です。桐ノ城山の位置はすでに御荷鉾山の稜線に近く、あまりアップダウンもなく秋葉峠に至ります。

桐ノ城山で目的は達成したのですが、せっかくなので登り残していたオドケ山に足を延ばしました。御荷鉾山もそうですが、オドケ山も円錐形のきれいな形をしています。遠くから見れば稜線にちょこんと顔を出しているこの円錐形は、名前のとおりまるでお道化ているようである。オドケ山の山頂もただただ石祠があるだけで寒風の吹きすさぶ寂しい山頂でした。この寂しさがたまらないのですが....

オドケ山から稜線にもどって舗装林道を三叉路まで歩き、県道71号高崎神流秩父線で万場に向けて下りました。下降ルートにこの林道を選んだのは、途中にある「電子基準点」を訪れたかったからです。なかなか近くで目にすることのできない電子基準点。いうまでもなく三角点の一種で、標高もさることながら正確な位置をGPSを使って計測しており、日本列島のズレ動きを毎日つくばの国土地理院に報告しているようです。電子基準点を確認した後、林道の続きを歩いて奴郷平の愛車に戻りました。

​主な通過時刻:
石間学習交流館の駐車場 9:04
林道終点手前(南尾根登山口) 9:17
15号鉄塔分岐 9:44
漆木登山口分岐 10:35
18号鉄塔分岐 10:58
まき道分岐 11:33
林道に出る 12:18
城峯神社 12:39
城峯山山頂(電波塔展望台) 12:59(昼食)
城峯神社下表参道入口  13:41
半納分岐 14:23
男衾登山口​ 14:36
石間学習交流館の駐車場 15:17

総歩行距離 11.5km
所要時間 6時間10分

石間学習交流センター下にある駐車場

南尾根登山口
南尾根はこの地図の赤破線
漆木登山口からも南尾根に乗ることができる

15号鉄塔への分岐
送電鉄塔の巡視路と思われるので入らないほうがよい

このあたりの積雪はあまりない
この日は快晴で冬枯れの樹間からの眺めが美しい

漆木登山口分岐
そろそろ雪が出てきた

18号鉄塔分岐
これも送電鉄塔巡視路と思われるので入らない方がよい
雪は靴が入るほどになった

まき道分岐
不明瞭なので使用禁止の看板あり

城峯山山頂の電波塔が見えてきた
雪は数日前のトレースがあった

城峯神社
手前にオオカミの狛犬
参拝を済ませ山頂に向かう

山頂の電波塔が間近
​雪と青空が美しい

城峯山山頂
​一等三角点「城峯山」標高1037.76m

電波塔展望台からの眺め
両神山方面
下に沢戸辺りの集落が見えている
ほぼ360度の展望(北毛、上越方面がやや木で隠れる)

​​(雅熊)

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