八ヶ岳 美濃戸口から行者小屋起点で阿弥陀岳、赤岳
2025年06月29 - 30日 晴れ 単独
投稿日 2025年07月03日

長野県茅野市 美濃戸口から南沢で行者小屋
行者小屋テント泊起点に阿弥陀岳往復、地蔵尾根から赤岳、文三郎尾根下降
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)
主な通過時刻:
美濃戸口駐車場 6:33
美濃戸山荘 北沢/南沢分岐点 7:44
行者小屋 10:45 (テント設営、昼食) 11:26
中岳ノコル 12:32
阿弥陀岳 13:06
中岳ノコル 13:47
行者小屋 14:52 (テント泊)
行者小屋 4:42
地蔵ノ頭 6:04
赤岳山頂 7:17
文三郎尾根下降点 7:57
行者小屋 8:57 (テント撤収)
美濃戸口駐車場 12:44
総歩行距離 22.1km
美濃戸口 - 行者小屋間 7.4km x 2 往4.0h 復3.5h
行者小屋から阿弥陀岳往復 3.3km 累積標高+480m 3.5h
行者小屋から地黄尾根、赤岳、文三郎尾根、行者小屋周回 3.3km 累積標高+601m 4.0h
今回は久しぶりにテントで一泊して昔、若い頃に登ったルートをゆっくり楽しもうと八ヶ岳に出かけました。その頃都内に住んでいた私にとって八ヶ岳は夏冬のフィールド。地蔵尾根を登ったことと、阿弥陀岳ははっきり記憶に残っています。そこで、行者小屋を起点に阿弥陀岳を中岳道で往復と、地蔵尾根から赤岳、文三郎道で戻るルートを歩くことにしました。
群馬の自宅から長野県茅野市の美濃戸口まで走ります。八ヶ岳の西側ですからちょっと遠い。自宅を3:00に出て、美濃戸口に到着したのが6:10ごろ。3時間以上かかりました。美濃口の駐車用は95%ほど埋まっています。しかしよく見るとちらほらと空きがあり、問題なく駐車できました。駐車料金は800円。二日分の1600円を支払って出発です。奥の美濃戸山荘まで車で行けますがダートですのでSUVなどの車高が高い車でないと無理のようです。そのダートを約3km歩いて、美濃戸山荘の少し奥にある柳川北沢と南沢の分岐に至ります。北沢は赤岳鉱泉への道。南沢は行者小屋に直接行く道です。今回は南沢をとりました。
南沢の道は足場パイプで骨組みが作られた木橋を何度か渡り返します。つまり南沢の左岸、右岸と切り返しながら登ります。大きな岩の基部を通過するところもあります。上部で伏流となり、シラビソの樹林を抜け河原状を歩き目の前に横岳の壁が現れると行者小屋はすぐです。行者小屋のテント場は2000円/人でバイオトイレは無料です。この日は日曜日とあってまだ80%ほどのテントがありました。好みのスペースがあったのでテントを設営しました。コーヒーをいれ一休みしてから阿弥陀岳へ向かいました。中岳道は昔神戸の登山チームが雪崩で遭難した道ですが夏は平和。シラビソの樹林を抜けて道が中岳ノコルに向けてトラバースするようになると、斜面に高山植物が現れます。
中岳ノコルは狭い場所ですが、ここで初めて南部の権現岳方面が展開します。そして楽しみだった阿弥陀岳の登りです。長いハシゴが一本かかっていますが、その上は露岩とザレの急斜面です。注意しながらゆっくり登ります。ひょっこり出た阿弥陀岳の山頂は、昨年中央稜から登った記憶に新しい場所ですが、違うルートで同じ場所に出ると、不思議な感じがします。天気は上々。赤岳の雄姿をゆっくり楽しんで、同じ道を行者小屋まで戻りました。
テントで一泊は久しぶりです。レトルトのごはんを柔らかくし、インスタントラーメンを作り、ささやかなおかずを添えて夕飯としました。時間は十分あるためベンチで暮れ行く横岳の岩壁や赤岳、阿弥陀岳を眺めながらゆっくりした時を過ごしました。これがテント泊の良いところです。その頃にはテントは20%くらいに減り、小屋の前に人はほとんどいませんでした。野鳥の鳴き声が澄んだ空気の中に響いていました。
翌朝、最低限の荷物をしょって赤岳に向かいました。行者小屋の前から地蔵尾根に取り付きます。最初はシラビソの樹林ですが、途中からぐっと傾斜が増し、足場パイプで組んだ鉄の階段が現れ、振り返ると北アルプス、御岳、乗鞍が並んでいました。ザレで滑らないように。露岩を慎重に登ります。全体的にうまく整備されており、登下降ともに問題はありません。気が付けばすぐそこに赤岳展望荘が見えています。ひょっこり稜線に出てお地蔵様とご対面です。すぐそこの展望荘の脇を通過して赤岳の山頂に向かいます。ザレの急斜面をしばらく登ると一段肩にでて山頂の小屋が目の前です。
赤岳山頂に至ったのは7時ごろ。まだ誰もいませんでした。山頂からの眺めを独り占めです。ゆっくりしていると文三郎尾根を登って来た人が到着し始めました。入れ替わりに下山を始めました。この辺りの岩場は高山植物の花が多いところです。いわばを斜めに下って、途中から中岳方面の道を分けて文三郎尾根にはいります。急な道ですが階段はしつらえてあるので危険はありません。下の方まで階段だらけの尾根道です。行者小屋にもどったのは9時頃。一休みしてテントを撤収し、名残惜しい横岳の岩壁。大同心に別れを告げて美濃口へと戻りました。

柳川北沢の広河原付近
横岳の岩壁と大同心が見えてきた

行者小屋のテントサイト
日曜日の朝80%ほど張られていたが、午後には20%ほどに減った
右端が私のテント

阿弥陀岳の登りから見下ろす中岳のコル(人が居るところ)
中岳を挟んで背後に赤岳

阿弥陀岳山頂から赤岳を望む
かわいい阿弥陀如来が鎮座

翌朝、地蔵尾根に入る
傾斜が増すとすぐに鉄の階段が現れる

地蔵尾根の上部
ガレと露岩の斜面だが、要所要所に階段やクサリが掛けられている

地蔵の頭
地蔵尾根を登りきると稜線にお地蔵様が微笑んでいる
左は横岳の南端

地蔵の頭から赤岳を望む
手前は赤岳石室、展望荘
今は石室ではないが

赤岳山頂から阿弥陀岳を望む
背後は茅野市や諏訪方面

赤岳山頂から権現岳方面を望む
左から前三ツ頭、三ツ頭、権現岳、ギボシ、編笠山、西岳
背後に南アルプス
ギボシの上あたりが甲斐駒ヶ岳

文三郎尾根の途中から
中岳と阿弥陀岳
中岳が立派に見える

文三郎尾根の登山道は階段が多い
見えているのは行者小屋
(雅熊)