神津牧場から物見岩、物見山、八風山
2022年11月03日 快晴 3名
投稿日 2022年11月05日
足早に去っていく紅葉を追いかけて群馬長野の県境にある「八風山」(はっぷうさん)に登りました。八風山は軽井沢からも登れますが、今回は群馬県下仁田町(しもにたまち)の神津牧場(こうづぼくじょう)から「物見岩」、「物見山」経由で登りました。
八風山のピークは長野県にありますが、登山口とした神津牧場が群馬県側にあり、県境を長く歩いて、最後にちょっとだけ長野県に入るということで、今回は上州の山として投稿しました。
神津牧場は群馬県最奥の荒船山(あらふねやま)に代表される山塊の一角の丘陵上を利用した牧場です。ネットには120年の歴史をもつ、日本最古の洋式牧場と紹介されています。牧場の標高はすでに1000mを越えています。観光客も多く訪れ、大きな駐車場もあります。
今回はその駐車場をお借りし、駐車場の隅にある登山口から「物見岩」に登り、県境稜線を「物見山」、「香坂峠」、「矢川峠」、「八風山」と辿りました。県境稜線は「信濃路自然歩道」として整備されており、笹の緑と唐松や落葉樹の紅葉が美しいルートです。
物見岩は標高が1315.4mの他からは目立たない一岩塔にすぎませんが、そこからの展望は素晴らしく、お隣の荒船山や西上州の山々、北毛、妙義、佐久、御座山、八ヶ岳、北アルプスなどの大展望が得られます。今回は朝早くまず物見岩に登ったこともあって、まだ遠くの山々は青く霞み、谷合は雲海で満たされ、近くの山には濃いガスがただようという忘れられないような展望でした。
八風山までの県境稜線はあまり大きなアップダウンは無く、道幅広く狩払いされた登山道が続きます。ただし、一か所だけ八風山直前の斜面にクサリがあります。急斜面のトラバースは要注意です。八風山は芝生のような広い山頂で、きれいな一等三角点の石標が鎮座しています。陽当たりの良い山頂で軽井沢の紅葉を眺めながら昼食をいただきました。
下山は香坂峠まで戻り、馬頭尊から神津牧場に戻りました。祭日とあって牧場には子連れの観光客が訪れ、ジャージー牛の子牛やヤギなどと戯れていました。我々は名物のアイスクリームをいただき、駐車場に戻り、荒船の湯でさっぱりして帰途に着きました。
今回のルートは13kmとすこし距離があるものの、大きなアップダウンが少なく、道もよく整備されているため、あまり疲れを感じずに歩けました。稜線上には香坂峠と矢川峠があり、香坂峠近くには馬頭尊が残っていますので、この辺りの往時の様子も想像すると面白そうです。稜線からははるか下に「高立の一本岩」がにょっきり立っているのが見えます。また、香坂峠の香坂と言えば、長野県側の八風山トンネル排気口近くの香坂遺跡で38000年前の旧石器時代の石器が見つかっています。そんなことにロマンを感じながら辿った県境稜線でした。
群馬県下仁田町 神津牧場から物見岩
群馬長野県境を物見山、八風山、香坂峠から神津牧場に戻る
赤実線:歩行GPS軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)
主な通過時刻:
神津牧場駐車場 8:05
物見岩 9:01
物見山 9:43
香坂峠 10:20
矢川峠 11:09
八風山 11:48 (昼食)
香坂峠 13:45
神津牧場売店 14:25
神津牧場駐車場 14:41
所要時間:6時間40分
総歩行距離:13.1km
神津牧場の端にある物見岩への登山口
物見岩から荒船山方面を望む
物見岩から八ヶ岳方面を望む
物見山山頂
三等三角点 点名「物見山」標高1375.54m
香坂峠
ここから神津牧場に下れる
県境稜線から見下ろす高立の一本岩(画面中央やや下)
群馬長野県境(信濃路自然歩道)の紅葉
矢川峠
右奥へ高立への道形がある
八風山山頂
一等三角点 点名「ハ風山」標高1315.41m
神津牧場にて
愛らしいジャージー牛の子供
(雅熊)