岩櫃山
岩櫃山 2020年02月24日 快晴 3名
投稿日 2020年02月25日
大河ドラマ「真田丸」のオープニングの画像に使われた岩櫃山です。のどかな山村のバックに突如として現れる200mの絶壁は壮観です。ドラマで人気が出たのでしょうか、道や道標は整備されていますが、山中は奇岩、怪岩の連続で、登るというより攀じるといったほうが適しています。そんな岩櫃山に熊谷のYさんとAさんと共に登りました。私は2000年3月に登っていますので2回目となりました。
駐車場からの岩櫃山
今回は登りに「密岩通り」を使い、沢通りで岩櫃城址まで下り、尾根通り、赤岩通りで駐車場に戻りました。GPSによると総歩行距離は5.6kmとなりました。所用時間は4時間程度と手軽です。
群馬県東吾妻町 岩櫃山 時計廻りルート
密岩通りで山頂へ。沢通りで岩櫃城址へ。
尾根通りと赤岩通りで潜龍院から駐車場
赤実線:歩行GPS軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)
主な通過時刻:
密岩通り、赤岩通り登山口駐車場 8:51
密岩通り上の鞍部(稜線) 9:45
岩櫃山山頂 10:15 - 10:35
岩櫃城址本丸跡 11:30 (昼食) 11:56
尾根通り天狗岩 12:10
赤い岩の斜面 12:25
潜龍院 12:50
密岩通り、赤岩通り登山口駐車場 13:05
所要時間:4時間10分
総歩行距離: 5.6km
歩き始める前に駐車場の前にあるトイレに寄って、パンフレットをいただきました。東吾妻町観光協会発行のパンフレットですが見やすくきれいにできています。お金がかかってますね。岩櫃山の登山ルートが分かりやすく解説されています。駐車場からしばらく歩くと密岩通りと赤岩通りの分岐があります。
密岩通りに入るとベンチがあります。水道施設のタンクを見て道標の指示通り登山道に取り付きます。稜線に近づくほど傾斜が増してきますが、階段に仕立ててあるので歩きやすくなっています。ただしスリップすると落ちてしまいそうな斜面ですのでけっして気が抜けません。巨大な岸壁の基部を登っていくと稜線の鞍部に出ます。反対側は中之条町方面が見えているようです。
鞍部に出たら右に折れて岩場がはじまります。すぐに鷹の巣岩陰遺跡を見て、天狗の架け橋(登りは使えない)を迂回してクサリ場で岩の小尾根を直登します。要所要所クサリがかけてありますので、登下降に問題はありません。この山は全体的に凝灰角礫岩(角ばった礫を含む凝灰岩)でできているようで、礫は硬く、凝灰部分は比較的柔らかいので礫がボコボコ飛び出るように侵食されています。このためホールド、スタンスが豊富です。表面はざらざらしており滑ることもありません。
前方に山頂らしい岩塔が見えています。手前の岩塔を基部の穴をくぐって反対側に出、南面の手すりのある絶壁の上に出て、山頂のある岩塔の基部を回りこみます。山頂に向けて長いクサリがかけてありますが、傾斜は45度くらいで大したことはありません。凝灰角礫岩のボコボコした岩の表面は容易に登れます。
山頂は360度の大展望。真っ白な浅間山や国境稜線の白砂山、草津白根山、谷川岳、稲包山、武尊山などが美しい山稜を連ねています。一緒になった地元の方によると、この時季真っ白なはずの浅間隠山の雪が少ないとおっしゃっていました。ほか、取り囲む山々、十二ヶ岳や小野子山、赤城山、榛名山など、すべて上州の山々です。
山頂を楽しんだあと、クサリを降りて北側に延びている岩尾根を伝い、急下降して沢通りに入ります。さまざまな奇岩、怪岩の隙間のような暗い沢筋を辿って、やがて明るいところに出ると歩きやすくなり、すこし登り返すと岩櫃城址です。東屋で昼食をとり終えて下山ルートの尾根通りに入ります。尾根通りは途中に岩場や天狗岩があり、変化のある面白い尾根道です。十二様通り(現在通行不可)を見送り赤い岩の斜面のクサリ場を急降下して赤岩通りに入ります。ぐんぐん高度を下げるとやがて平地が見えてきます。石垣のみが残った潜龍院の跡です。天気のよいのどかな草地にベンチがあります。少し休憩して駐車場に戻りました。
密岩通りのルート
大きな岸壁の基部をほぼ直登している
密岩通り上部
鞍部が見える
稜線を行く
天狗の架け橋
山頂を見上げる
クサリが二本かかっている
傾斜がゆるくスタンスが多いので容易
岩櫃山山頂
文句なしで360度の展望
四等三角点 点名 岩櫃山 標高802.77m
山頂からの眺め
左がかづま山。中央が薬師岳。遠くに白砂山などの国境の山々
山頂から北側に延びる岩尾根を見下ろす
岩櫃城本丸跡
赤岩の斜面を下るYさんとAさん
岸壁直下の潜龍院跡
龍とは武田勝頼のことか?
岩櫃山は妙義山を小さくしたような岩山です。火山が侵食された山ですが、山全体に凝灰角礫岩の岩塔、岩壁が分布しています。小規模ながらピリッと辛い山行が味わえる山ですし、岩櫃城址など、歴史的な背景もあって多方面に楽しめる山です。いたるところにクサリ場や梯子があり、道標や足場が整備されているとは言え、ガレ場や、落葉の溜まった斜面なども多いので十分注意が必要です。
帰りに平沢の「コニファーいわびつ」に寄って汗を流しました。
(熊五郎)