三十六童子から三峰山 

2018年05月27日 晴れ 単独

投稿日 2018年5月28日

桐生市の屋台骨、吾妻山から鳴神山に至る稜線の中間に三峰山があります。

前回、梅田町から表参道と言われている尾根を登り、妙見宮や奥宮の石祠、三峰山山頂の石祠、石像を確認できました。

今回は、川内町側から石仏や昔の行場、三十六童子などを見ながら三峰山に登ってみました。この付近については桐生市の山の会のホームページや、みやま文庫の「山紫水明」に情報があります。

私は信仰については詳しくないのですが、昔の信仰の形跡を見ながら登るのも山登りの愉しみです。御岳講や三峰信仰、石仏名などの詳しいことは他の情報に譲ることにします。

このルートはかなり不明瞭になりつつあり、道標もほとんど無く、沢筋を登ったり、小尾根に取り付いたりと変化に富み、その分迷いやすいともいえます。

沢には魚影が濃く、この日は鹿や狸もしくはアナグマを見かけました。動物の気配も濃いところです。展望はこのルートの範囲ではほとんど望めませんが、岩場の上の岩頭から少し遠望がききます。

名久木 大崩林道で三十六童子、三峰山
緑破線:予定ルート(一部)  赤実線:歩行GPS軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

通過時刻:
駐車地 9:26
A 金沢峠からの道合流 9:48
B 林道を捨てて山道へ 9:57
C 小沢を渡って杣道へ 10:14
D 岩場 滝(不動明王ほか) 10:29 - 10:42
E 岩頭の上(石祠三基) 10:49 - 10:59
F 烏天狗への分岐 11:10
烏天狗 石像 11:15 - 11:25
F 烏天狗への分岐 11:30 
G 小尾根に乗る 11:53
三峰山 12:11 (昼食) 12:25
金沢峠 12:45
A 金沢峠からの道合流 13:23
駐車地 13:41

所要時間:4時間15分
総歩行距離:6.5Km

車を桐生市の相生町から渡良瀬川支流の山田川沿いの川内町に進めます。川内町五丁目で斜め右の山田川支流の名久木沢沿いの道を進みます。右に野菜の直売店を見て、さらに進みます。今回は初めてとあって、駐車地が分かりませんので、左手上の大きな民家の見える路肩に停めさせていただきました。右上には渓流魚の清滝という料理屋があるようです。

A点 左 三峰山 右 金沢峠
中央(矢印)に小さな道標がある

身支度をして舗装の道を少し歩くと橋があり正面の坂道の向こうに民家の屋根が見えますが、橋を渡らずに左に入ります。この道は大崩林道です。すぐに一台駐車可能なスペースがあります。右下に民家、更に奥に民家のあった気配の平地に生活品の残骸。そして左上に舗装道が上がって行きますが、更に奥の砂利林道に入ります。突然鹿が目の前に飛び出てきましたが、すぐに斜面を登っていきました。

車のワダチの真ん中に草が生えた砂利の林道を進むと右から林道が降りてきて三差路(A点)になっています。Y字の真ん中に目立たない道標が草に埋もれかけています。左が三峰山、右が金沢峠と読めます。右から降りてきた道は金沢峠からの道ですので、帰りに使う道です。登路は左奥です。

B点 林道は左に上がって行くが、ここで右に入る
草に隠れた小沢を渡ると広い道形が奥へ続いている

20180527_三十六童子04.jpg

B点からC点まで1.5mくらの幅の道形がある
ピンクのテープが目印
木の枝が頭すれすれで、全体的に暗い

引き続き砂利の林道を進みます。林道終点かと思ったら林道は左上に続いています(B点)。道標らしいものはありませんでした。草が入り口を隠しているので迷いやすい場所の様です。右の草の中の小沢を渡ると少し広くなっており、奥に広い道形が続いているのが分かります。

C点 小沢を渡って小尾根の末端に取り付く
よく見ると沢の中の石に赤ペンキが確認できる
少し登って尾根を回り込むと太い三本杉の根元に石祠がある

太い三本杉の根元の石祠
周りは植林帯だがこの三本だけ太い

しばらく肩幅くらいの簡易舗装が続きます。上から木が覆いかぶさり暗い雰囲気です。右に沢が流れています。やがて簡易舗装は消えますが、広い道形は続きます。右上から小尾根が落ちてくるので沢を渡って小尾根を少し登り気味に周り込んで、枝沢沿いに進みます。(C点) すぐに左上に三本杉の石祠があります。

D点 側林帯を登って行くと岩場が立ちふさがる
中央にチムニー状の滝 左(写っていない)に岩屋 右も岩壁
岩屋の中にかわいい不動明王 滝の手前に三十二童子
この岩壁の上(左から回り込んで行ける)に石祠が三基

岩屋の中に鎮座するかわいい不動明王
ノミの跡も新しく、不動明王にしてはかわいい

植林帯の杣道のような道を登って行きます。この辺りに如意輪観音の石像があるはずですが、見落としました。更に登って行くとほどなく岩場にぶつかります。コの字型の行き止まり(D点)ですが、よく見ると左上の岩屋にかわいい不動明王らしき石像、中央に滝(水は落ちていなかった)とその手前に三十六童子が二つ。ここは修行場でしょうか。

岩屋の上辺りの岩頭上に石祠が三基10mくらの間隔で並んでいる

この三峰山の秘めたる岩場は、左の斜面から高巻きます。一旦岩頭の後ろの鞍部(E点)に出て、小沢を渡ってぐるっと回り込むと滝の上に出ます。その前に鞍部から岩稜に沿って進むと岩の上に10m位の間隔で三基の石祠があります。この岩頭からは遠景を見ながら一休みです。

烏天狗像

石像
烏天狗の下の岩上にある
岩の先に立っているので正面から撮れない

​鞍部に戻り、小沢を渡ってぐるっと回り込むと先ほどの滝の上(F点)です。三峰山はここから左上に登って行きますが、烏天狗と石像を見るために、右の尾根を回り込むように登って行きます。回り込んだところに烏天狗が立っており、その下方の岩の上に石像があります。

G点から小尾根に取り付いて少し登ると三十二童子が点在している
金剛童子と読める

因陀羅童子のようだ
大半はこのような角の丸い石に童子名が刻まれている
このほかにいろいろころがているが刻字の判読はむずかしい

滝の上(F点)に戻って小沢の源頭のような斜面を登って行きます。やや左にカーブし、上の方で小尾根に乗ります。ここに石像が二体あります。(G点) 小尾根をやや右上に登って行くと三十六童子の石碑、石像などが点在しており、斜面を斜め右にトラバースぎみに登って行くと三峰山の山頂に飛び出ます。

三峰山山頂
大きな石祠と石像がある

山頂で昼食をとり、吾妻山と鳴神山間の一般道を金沢峠に向かいます。金沢峠は3回目ですが、これまで鏡石を見落としていました。今回はしっかり確認。意外と峠に近い、すぐ傍だったのです。キラキラと鏡のようにひかり、触るとつるつるでした。

金沢峠
ここから川内町五丁目の名久木に下る
少し不明瞭なところがあるが、左下に回り気味に沢筋に降りて行く

金沢峠の鏡石
峠から数歩金沢側に降りた左にある
注意しないと気付かない
触るとツルツルで、光っている
断層の滑り面か?

峠からは川内町方面に下ります。左方向に斜めに降りて行きます。地図の点線とは違うようです。すこし不明瞭な部分もありますが、やがて沢筋となり水の流れが出てきます。ミソサザイが数羽、沢筋の暗いところをチェックしながらて渡っていきました。ミソサザイは最小の野鳥で、驚くほど小さい鳥です。やがて林道に降り立ち、A点で登路と合流し、大崩林道を歩いていると往路鹿を見た近くで、今度は茶色い犬のような動物が動いています。口笛を吹いたりしてもなかなか気づきません。10mほど近づいてやっと沢の方に走って行きました。狸でしょうか、ひょうきんなアナグマでしょうか。その後、車まで戻りました。

(熊五郎)

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