桧沢岳から日影山、塩之沢峠周回
2017年11月9日 晴れ風強し 2名
投稿日 2017年11月12日
少し風が強い朝でしたが、ピーカン間違いなし。熊谷のYさんをお誘いして出かけました。
今回は西上州根草(ねぐさ)の桧沢岳(ひさわだけ)から日影山(ひかげやま)、桧沢峠、塩之沢峠(しおのさわとうげ)と辿り、根草に戻る周回ルートです。桧沢岳は一般ルートですが、それ以外はバリエーションルートで、桧沢峠からは長い林道(下仁田上野線)歩きです。
根草から一般ルートを桧沢岳に登り、東のコルから日影山、
桧沢峠から林道で塩之沢峠を経て根草へ戻る周回ルート
A,Bは下降ルート案(不採用)
GPS軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)
通過時刻
桧沢岳登山口 大森橋駐車地 7:45
廃屋の前通過 8:01
ヒゲスリ岩 (龍徳不違天の石碑がある展望台) 9:00
西のコル 9:11
桧沢岳山頂 9:18 - 9:29
桧沢岳神社(岩屋) 9:44
見晴らしのよい岩頭 9:53
東のコル 10:05
日影山に続く稜線に乗る 10:32
図恨点のあるピーク 11:57
日影山 12:15 - (昼食) - 12:35
図恨点のあるピーク(P1318) 13:16
桧沢峠 13:47
スーパー林道 13:55
上南隧道 14:18
塩之沢峠(塩之沢隧道) 14:32
桧沢岳登山口 大森橋駐車地 15:45
所要時間 7時間
歩行距離 約17.3Km
山肌にへばり付くような根草の民家と桧沢岳
登山ルートは植林の中から中央に見える尾根を登り上の鞍部に出る
熊谷から上信越自動車道を走り下仁田(しもにた)から南牧村(なんもくむら)に入りました。磐戸(いわど)の橋を渡って桧沢川沿いを進み、「湯の沢トンネル」のある上野村への道を右に分け、さらに奥へ進みヘアピンカーブがあると間もなく「大森橋」です。橋から塩之沢峠に向け林道(下仁田上野線)が続いています。
山頂直下のヒゲスリ岩は眺めがよい
石碑には「龍徳不違天」と刻まれている
屋根石が90度回転してしまっている
大森橋の駐車スペース(数台可)に車を止めて、しばらく集落に向けて舗装道を歩き、橋を渡ってU字型に戻りながらやや登ります。人家が見えてくると道路脇に桧沢岳への道標があります。廃屋の前を通過して植林の下を急登すると、小尾根に乗り丈の低い雑木の明るい尾根道となります。アセビの混ざる急な尾根を更に登ると、見晴らしのよい岩頭に「龍徳不違天」と刻まれた石碑があります。この岩頭は「ヒゲスリ岩」というようです。はるか下に集落が見えま、紅葉も見事です。
ヒゲスリ岩から覗きこむ
紅葉がすばらしい
「ヒゲスリ岩」から更に急登すると狭いルンゼ状となり、ロープのかかった岩面を登ると「西のコル」です。左に行けば西峰ですが今回は寄りませんでした。逆層の危なっかしい岩場を登るとすぐに桧沢岳山頂の三角点、その奥に社と石灯篭、山頂標識が見えてきます。
桧沢岳山頂の三等三角点(点名:根草 標高1133.52m)と愛宕神社
古くから雨乞いの山として信仰を集めたらしい
下山路は社の後ろにある
山頂でひと休み。Yさんの山ダンゴをいただきました。(今回は豆大福)。社の後にある踏み跡を北側に下りましたが、ここで少し下りすぎてしまい、急ぎ登り返しました。山頂を構成している岩体を回り込むと岩屋の中に社があります。「桧沢岳神社」とのことですが、少し荒れているようです。
岩屋から「東のコル」に向けて少し下ると見晴らしのよい岩頭があります。眺めを楽しんだ後、刀でスパッと切ったような岩の横を通過して少し下ると「東のコル」です。目の前に岩壁が迫ります。予想ではこの尾根筋をそのまま日影山に向けて進めると思っていましたが、現地に行くと岩壁でした。登れそうにも思いますが、上がどうなっているかわからないので、一般道を下りました。
東のコル手前の岩頭からの眺め
左端に小沢岳、中央に日影山 その右にP1318 右に塩之沢峠も見えている
しばらく岩壁の基部を下るとやがて岩壁が切れて植林帯になり、尾根筋まで登れそうなので、急な斜面を無理やり登って尾根筋に乗りました。うまく岩場をパスして日影山に続く尾根に乗ったようです。
ここからは快適な尾根筋を新雪ならぬ新落ち葉を踏みながらゆるやかに高度を上げ、桧沢岳から280mほど高い日影山山頂(二等三角点 点名:片路 標高1406.79m)に到着しました。風を避けて南側の斜面で昼食をとりました。
日影山から少しP1318寄りの尾根筋からの桧沢岳
すこし戻って北側にある小ピークの手前を斜めに下りP1318を目指しました。左下に林道が見え、植林(広葉樹の植林のようです)したばかりの明るく開けた場所がありました。鹿除ネットが張られています。ここからの展望はよく、両神山、赤岩尾根、宗四郎、大山、天丸山など群馬県と埼玉県の県界尾根の山々が見えています。その背後遠くには奥秩父の山々が並んで見えていました。この展望は思わぬご褒美といったところです。(関連記事: 日影山の西P1318付近からの展望)
塩之沢峠にある塩之沢隧道
トンネルの向こうは南牧村
P1318の図恨点を見て、ルンルンで歩いていくとやや暗い鞍部に「桧沢峠」がありました。桧沢峠からは幅の広い道形が北側へ延びていました(-> 桧沢峠について)が、今回は調査不足なので左の上野村側のスーパー林道に降り立ちました。
幅が広くきれいなスーパー林道を歩きます。唐松の細かい葉が落ちてきて路上の落ち葉に当たり、チリチリと小さな音がしています。上南隧道、塩之沢隧道を抜け、更に林道(上野下仁田線)を根草の駐車地まで歩きました。林道の途中、またまた植林直後の伐採地があって、南牧村側(北側)の西上州の山々の大展望が広がっていました。(関連記事: 塩之沢峠に近い林道からの眺め)
烏帽子岳からの桧沢岳(中央)
左奥に小沢岳 右奥遠くに稲含山
2007年11月23日撮影
紅葉はすでに終わっている
今回山行の当初の計画は、地図の破線AまたはBを下降する予定でしたが、途中が岩壁になっていたりすると時間がかかるので、確実に下れる林道を歩くことにしました。その影響もあって総歩行距離が17.3Kmと少し長めとなりました。林道を歩いたおかげで、上の大展望が見られたわけですから、まぁよしといったところです。
大森橋の車に戻り、雨沢の「井上うどん店」で名物の鍋焼きうどんをいただき、「荒船の湯」に寄ってさっぱりしてから帰途に着きました。
桧沢峠について
桧沢峠は今は忘れ去られた峠になっているようです。現地には「山之神」と刻まれた石碑があり、「桧沢峠」と書かれた小さな看板がかかっています。また、南牧村のほうから電線が通過しています。
桧沢峠越えの古道?予想線
国土地理院の2万5000分の1 「神ヶ原」の
少し古い1973年(昭和50年)発行の地図に乗っている波線を
写し取ってみた(正確ではありません)
深く窪んだ道形があることから、往時は結構往来があったのではと思います。北の南牧村側には(馬も通れそうな)幅の広い道形がはっきりと残っています。南の上野村側は数十メートルでスーパー林道に降り立ちます。
帰宅して調べると国土地理院の2万5000分の1 「神ヶ原」の少し古い1973年(昭和50年)発行の地図に、道があったことを示す破線が下図のように記載されています。上野村住居附(すまいづく)からの道が「桧沢峠」を越えて南牧村側に下っていたようです。ただし南牧村側はすぐに林道に降り立って消えているため、その下方にある大入道(おおにゅうどう)まで来ている道とのつながりはわかりません。林道が無かった頃のもっと古い地図があればわかるのかも知れません。なお、楢原から大平を経て、塩之沢峠を越える道もあったようです。機会があれば実際に歩いてみたいものです。
(熊五郎)