谷川岳 蓬沢檜又谷 大スラブ
1985年(昭和60年) 10月19日遡行 単独
投稿日 2009年07月11日
古い記録なので、現状をよく確認してから入山してください。
大スラブ全景 20m滝の上部から
土樽駅から蓬峠への道を行き、取水口(8:40)で檜又谷に入ります。檜又谷の本流は、いくつかの小さな滝はあるものの、大スラブまではほとんどゴーロが続きます。一ノ沢、二ノ沢の出合いは分かりにくいようです。大スラブの出合いも目立ちませんが、対岸の前滝沢のスラブで確認できます。
出合い(9:30)からは沢の上部は見えませんが、下部は見えています。大スラブに入ると、すぐ20mの滝が行く手をふさぎます。ここは右手(左岸)の藪を高巻きます。すぐに落ち口に降ります。この上には3,4mの滝がいくつか続きますが容易です。ヌルが付いているので注意します。
やがてスラブが始まります。最初の50mくらいは幅が狭く、その上は広々としたスラブになります。ここで沢全体が見通せます。最初から全体が見渡せる沢も珍しいものです。スラブの傾斜はそれほどではなく、乾いた岩を選べばフリクションで快適に登れます。
スラブの中間には高さ5から10mくらいの断層状の段差がありますが、通過に問題はありません。左に鷹の住んでいそうな?特徴のあるピークが見えます。スラブは少しずつ幅が狭くなり、やがて一度草に覆われて岩が見えなくなります。源頭らしくなってくると二股となり、右にとってなおも登ると、スラブとは岩質の異なる細かい岩が現れます。ホールドが多いので快適に登れます。小さな尾根が目の前にありますが、それを避けて右にある小スラブの頭のほうに入ります。傾斜がきつくなり潅木をつかみながら登ります。
右に小スラブの頭のリッジが見えます。潅木が多く藪漕ぎが困難なので小尾根を乗り越し、左側のツメに入り、再び藪漕ぎで、やがて大スラブの頭(12:30)に出ます。尾根にははっきりしないものの踏跡はありました。二ノ沢の頭からやせ尾根の小さなピークをいくつか越えると、一般道のある稜線(13:30)に出ます。一般道を蓬峠から土樽に戻りました。紅葉の美しい沢登りでした。
大スラブの出合いから、大スラブ沢を見上げる 見えにくいが手前が20m滝(右の藪を巻く)
大スラブの出合いから、檜又谷の上流部を眺める
大スラブ沢全景 20m滝の上部から
中間部の断層状
上部から見下ろす
一般道のある稜線と檜又谷最奥部
大スラブの頭より ススケ沢D沢奥壁とD沢(深い切れ込み)
大スラブの頭より 太源太山(三角のピーク)、七ツ小屋山、蓬峠(小屋が光る)
左下に大スラブの頭、右のピークが二ノ沢の頭、手前にやせ尾根
参考:日本登山大系 谷川岳・奥利根 白水社
谷川岳の沢はスノーブリーッジが残っていることがあるので、夏の終わりから秋が適期です。
(熊五郎)