毛木平から甲武信ヶ岳、大山、十文字峠
2023年07月18日 晴れのち曇り時々晴れ 単独
投稿日 2023年07月20日
若いころ山梨側から登った甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)。そのときは十文字峠まで稜線を辿って、四、三、二、一里観音を確認しながら栃本に下りました。今回はその甲武信ヶ岳と十文字峠に長野県側から訪れました。
起点は長野県南佐久郡川上村梓山の毛木平(もうきだいら)です。ここには大きな駐車場があり、甲武信ヶ岳と十文字峠への登山道が来ていて、どちら廻りでも周回できるので人気の登山口です。それに、甲武信ヶ岳と言えば、千曲川の源流が、西側の沢にあることで有名です。千曲川は日本第二の長さの流域を誇る信濃川の上流の名称。つまり、甲武信ヶ岳に発した水は延々流れて新潟県に達し、日本海にそそぎます。ここはその出発点です。毛木平の登山口から甲武信ヶ岳を目指すと、途中約標高2200mの地点に千曲川源流(源流方標が建っている)を見ることができます。
関東平野では38,9度になるとも予報が出たこの日。早朝車で毛木平に着くと気温は18度。ドアを開けると、おお寒む、という感じの冷気が。手前の川上村では、その冷涼な気候を利用したレタスなどの高原野菜の栽培が盛んのようです。毛木平の標高は1460mほど。千曲川源頭の沢伝いに登山道を辿り、標高2200mに千曲川源流。さらに登って甲武信ヶ岳が標高2475mですので、毛木平からの標高差は約1015mです。
植生は、毛木平ですでに唐松の世界。広葉樹は少なく、ほとんどがカラマツ、シラビソ、トウヒ、コメツガなどの針葉樹で構成され、そのなかにダケカンバが少し混ざっています。林床は苔むした角のとれた岩がごろごろ。岩の正体は花崗岩です。また稜線付近にはシャクナゲが点在しており、今回、7月中旬でもまだ花を付けていました。鳥はウグイス、メボソムシクイ、コマドリ、カラ類などが美しい声で鳴いていました。、
甲武信ヶ岳から十文字峠までの稜線はなかなか非凡な稜線で、三宝山(さんぽうさん)は埼玉県の最高峰。武信白岩山、大山は岩峰で、それらピークを結ぶ稜線も露岩の痩せ尾根です。細い登山道の両脇にシャクナゲがトンネルになっています。アップダウンの中に露岩とハシゴ、クサリがあって、美しい緑の回廊を呈しています。これぞ奥秩父という感じの稜線です。
十文字峠からは昔歩いた栃本への道が下っていますが、現在は崩壊個所があって通行禁止になっていました。今回は毛木平に下りました。峠にある十文字小屋はむかしからの静かな雰囲気。今でもシャクナゲの中にありました。
今回のように周回する場合、毛木平から先に甲武信ヶ岳に登るか、十文字峠に登るか。つまり反時計廻りで行くか、時計廻りにするか悩みますが、今回は反時計廻りにしました。その場合は沢沿いの道を標高2200mの千曲川源流までたんたんと登り、最後に沢の源頭の急斜面を甲武信ヶ岳山頂まで登ります。千曲川源流標から山頂まで1時間ほどです。甲武信ヶ岳から十文字峠までは。三宝山の北側の斜面が長い下りになり、途中武信白岩山、大山の登りが少しありますが、十文字峠まで概ね下りとなります。距離は18.5km、所要時間は標準で9時間の行程ですが、老体ゆえ11時間かかりました。
長野県南佐久郡川上村梓山毛木平から反時計廻りで
千曲川源流、甲武信ヶ岳、三宝山、大山、十文字峠
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)
主な通過時刻:
毛木平駐車場 6:30
大山祗大神社 7:00
ナメ滝 8:35
千曲川源流標 10:04
甲武信ヶ岳 11:07 (昼食)
三宝山 12:11
尻岩 13:06
武信白岩山基部 13:53
大山 14:51
十文字峠 15:33
八丁坂ノ頭 16:08
五里観音 17:10
毛木平駐車場 17:30
総歩行距離 18.5km
所要時間 11時間
毛木平の駐車場
かなり広いが5月のGWは満車になるらしい
トイレ、東屋、登山届ポストがある
西沢沿いの道を千曲川源流目指して歩く
ナメ滝
千曲川源流の標
左の一段下がったところに水が湧いている(矢印)
源流標から30分ほどで尾根に乗る
甲武信ヶ岳山頂を見上げる
甲武信ヶ岳山頂
この日はあまり遠望は効かなかった
甲武信ヶ岳山頂から隣の三宝山を望む
三宝山山頂
埼玉県の最高峰
一等三角点がある
三宝山山頂にて シャクナゲ
十文字峠の十文字小屋
トイレ、水等有料
五里観音
埼玉県側の栃本から5つ目の観音様
(雅熊)