小鹿野 伊豆沢左岸尾根で品しゅう

2023年04月10日 快晴 単独

投稿日 2023年04月12日​

伊豆沢左岸尾根(仮称)は、伊豆沢(赤平川の支流)沿いの道からは見ることができませんが、西側の小森川沿いの県道からは、東側に同じくらいの高さで南北に長く連なる尾根として、認めることができます。

​尾根の北端は小鹿野町風殿(ふっと)で、風殿大橋のところで赤平川に落ちています。南端はもうすぐ三峰口の贄川(にえかわ)というところで左に、つまり東側に曲がって「品しゅう」のピークにつながっています。

​344mの最初のピークに始まって、品しゅうの標高639mまで徐々に高度を上げますが、大きなアップダウンはありません この尾根には登山道はありませんが、伊豆沢や小森の里に近いせいで歩かれているのか、植林のためか、尾根筋を辿ることは容易です。ただ、途中の二箇所、うっかり歩きやすい方に歩を進めてしまうと、伊豆沢側の枝尾根に乗ってしまいます。今回そのトラップに引っかかってしまいました。

​尾根筋は露岩は少なく歩くのに危険なところはありませんが、品しゅうに近づくにしたがって、凝灰礫岩の露岩が現れ、やや痩せ尾根となります。品しゅうにたどり着いたら左にとり、「もんじゅ峠」に向かいます。電車、バスで来たなら、右にとって柴原鉱泉に降り、荒川で秩父鉄道を拾うこともできますが、今回はもんじゅ峠から林道「釜の沢伊豆沢線」で伊豆沢の諏訪神社(文殊堂)へと下り、そのまま林道をてくてく歩いて風殿に戻りました。

​伊豆沢の流れは源流部のもんじゅ峠からまっすぐ流れ下りますが、もうすぐ小鹿野の赤平川に合流というところで屈曲しています。伊豆沢には上から沢浦、西平、和田、中海戸、淵平、馬場、綾平、風殿と目まぐるしく地名が変わります。いずれも山間の小さな里で、民家数は多くありません。

​品しゅうは「品刕」と書くようですが、刕は州の異体字とのこと。意味は「割く」ということですが。「品刕」の意味は不明です。なお、ここの二等三角点の点名は「品藾」となっています。何と読むのでしょうか。

​もんじゅ峠は以前、釜の沢五峰のときに寄ったことがあります。天文台のある峠です。ここは以前は植林の木で眺めが無かったのですが、今はすっかり伐採されて、遠望が得られます。再び植林されると思いますが、数十年は好展望の峠となるでしょう。もんじゅ峠の名前は、林道を伊豆沢へ下ったところにある「文殊堂」からきているようです。釜の沢から来てもんじゅ峠を越えるこの林道はその文殊堂のある場所までを「釜の沢伊豆沢線」と呼びます。(文殊堂の前が終点) 今回、文殊堂のところに通行止めの看板がありましたが、軽が峠まで登ってきていました。歩いてみたら、文殊堂までに落石が多いようですが通過に問題はないようです。

​伊豆沢沿いの道は民家の点在するのんびりした山里の道です。途中の「雲龍寺」は文殊堂の御朱印を扱っているようです。この寺の近くのイロハモミジは紅葉したら見事でしょう。

​今回の伊豆沢左岸尾根ルートは約9kmのロングルート(林道は約6km弱)です。アップダウンはありますが、品しゅうに向けて徐々に登ります。露岩等、難しいところはありませんが、品しゅうに近づくにつれてやや露岩が増え、尾根も痩せてきます。品しゅうからもんじゅ峠間も気が抜けません。踏み跡は薄く、道標はもちろん無く目印もほとんどありません。尾根は植林と自然林が交互に現れる美しい尾根です。途中、二か所美林に誘われたか、ついつい歩きやすい方に入ってしまったか、枝尾根に間違って入ってしまいました。ピークなどに点々と石祠があり、伊豆沢と小森を結ぶ道形がある峠状もありました。

埼玉県秩父郡小鹿野町 伊豆沢左岸尾根から品しゅう
もんじゅ峠から釜の沢伊豆沢林道で風殿(ふっと) )
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
小鹿野町風殿の駐車地 8:46
P344 9:01
P389 9:37
送電鉄塔(黒部幹線645号) 9:45
P483 10:15
P536 11:52
P560 12:40
P616 13:13
品しゅう 13:44
P558 14:22
もんじゅ峠 14:37
諏訪神社(文殊堂) 15:06
雲龍寺 15:47
小鹿野町風殿の駐車地 16:18

​釜の沢伊豆沢林道(もんじゅ峠)から風殿間 5.83km 1h45m

​所要時間:7時間15分
総歩行距離:14.7km​

お借りした小鹿野町風殿の駐車地
遊具とゴミ集積所のある広い平地
駐車地の奥から尾根に取付いた

尾根上から観音山(右端)、白石山付近(中央)
左端に両神山の一部

尾根筋の新緑

​黒部幹線送電鉄塔645号から
中央に白石山

P483付近から
両神山、二子山(右の小さなピーク)
手前の街は薬師堂辺り

峠状の場所にある小さな社
左右に道形が下りている

伊豆沢側の桜
吉野の千本桜を彷彿とさせる

品しゅう
二等三角点「品しゅう」標高638.98m

もんじゅ峠を見下ろす
天体観測ドーム、金精神社が見える

もんじゅ峠
今は植林が伐採されてよい眺めが得られる
遠くに秩父の名峰武甲

もんじゅ峠
林道は釜の沢伊豆沢線

諏訪神社、文殊堂

伊豆沢の新緑
のんびりとした里にうぐいすの声が冴えていた

​(雅熊)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA