西場百観音から大小山、大坊山

2023年01月08日 晴れ 2名

投稿日 2023年01月10日​

今年の新春登山に選んだのは自宅から近い栃木県佐野市と足利市にまたがる「大小山」です。大小山というピークは無くこの辺りの山域名です。最高標高点は「妙義山」で313.77m 二等三角点のあるピークです。

大小山は関東平野の北端に位置し、関東平野一円を見下ろせる大変ロケのよい位置にあります。眼下に渡良瀬川が流れ、群馬県、埼玉県の平野部から東京都の副都心やスカイツリーまで見えます。山は、富士や浅間山、筑波山、赤城山、秩父の山々、北側に日光の山々が見えています。

この大小山は、低山ながら楽しめる山です。硬い岩石のチャートで構成されているため、いたるところに露岩があります。ほぼ自然林の赤松の混ざる低木で構成されており、大変ながめのよい稜線がつながっています。

大小山には十数回登っており、バリエーション・ルートも含め、ほとんどの稜線、尾根筋を歩きましたが、今回は久しぶりに大小山の馬蹄形主稜線を辿る周回ルートを再度歩いてみることにしました。妙義山への最短ルートの下にある駐車場(阿夫利神社の前と、手前に二か所ある)を利用し、しばらく車道を歩いた東端にある「西場百観音」から登りました。形のよい西場富士を経て、最高点妙義山に登った後、主稜線を辿って毛野山、越床峠(こっしょうとうげ)、つつじ山と辿り、大坊山から一旦下り、住宅地を歩いて山百合学園から再び妙義山近くを越えて、東側の駐車場に戻りました。この周回ルートで大小山の主稜線をほぼ歩いた感じになります。距離は13.5km、所要時間は8時間と、正月で鈍った体には少々疲れました。

登山口とした西場百観音は西国三十三、坂東三十三、秩父三十四観音霊場の観音様のご本尊を模した石仏が計百体並んでいます。いずれも保存がよく、南の斜面に気持ちよさそうに様々な観音様が並んでいる光景は一見の価値があります。一体失われることなく、今に残る石仏は貴重です。

百観音奥の猪柵を開けて奥へ入り、観音山の看板を見て、斜め左下へ進めば西場富への道につながります。我々は北側の小ピークに登ろうと藪を漕いでみましたが、結局観音山まで戻ってしまいました。猛烈な藪なのであまり意味はありません。

​城山とも呼ばれる西場富士を通過し岩壁にかかる「大小」の字を見て「かめ石」を通過すれば、下の阿夫利神社からの道が合わさります。大きな露岩が現れるので直登すると妙義山の山頂直下です。連休真ん中とあって山頂は賑やかでした。山頂から露岩とザレの斜面です。数回のアップダウンで毛野山、越床山、越床峠へと辿ります。番屋に寄って更に進めば再び露岩が現れてベンチのあるつつじ山です。大坊山の北側斜面も露岩です。静かな大坊山の大山祇神社跡を見て、南側を下れば大山祇神社の里社です。ここから一旦平野部まで下り、民家の間を歩いて、やまゆり学園から再び妙義山近くまで登り、東側の駐車場まで戻りました。

久ぶりに歩いた大小山ですが、冬晴れで明るい露岩の稜線を気持ちのよく歩けました。今回で主稜線を歩いた形ですが、この山には他に主稜線から派生する面白い尾根が多数あります。過去の記事で紹介していますのでご覧ください。

栃木県佐野市西場「西場百観音」から西場富士、大小山(妙義山)、大坊山周回
大小山の主稜線を周回するルート
赤実線:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
駐車場 8:37
西場百観音 8:55
観音山 9:05
西場富士 10:01
かめ岩 10:43
妙義山 11:12
毛野山 11:45 (昼食)
越床山 12:31
越床峠 12:42
番屋 12:57
つつじ山 13:27
大坊山 13:43
大山祇神社 14:05
山百合学園 14:50
駐車場 16:30

​所要時間:8時間
総歩行距離:13.5km​

駐車場から眺める「大小」
もう少し奥の阿夫利神社手前の駐車場にはトイレがある

西場町の「西場百観音」
西国三十三、坂東三十三、秩父三十四漢音霊場の本尊観音石像群

西場富士の山頂

妙義山(大小山の最高ピーク)手前から「大小」を眺める

妙義山山頂
二等三角点「妙義山」 標高313.77m

妙義山山頂から眺める大坊山
右端は毛野山

越床峠

番屋のロウバイ

つつじ山へ向かう途中の尾根上から
最高点は妙義山
手前下はあしかがの森足利病院

大坊山山頂
大山祇神社跡

(雅熊)