四万から稲包山

2022年10月19日 快晴 3名

投稿日 2022年10月21日​

熊谷を5時に出発して、関越道を渋川ICで降り、中之条町から四万温泉に入りました。朝方、雲が多かったものの、走っているうちに秋の陽が差し始め、今日一日の晴天を期待しました。吾妻川沿いの道は、吾妻線の線路が右だったり、左だったり。民家の点在する中のわずかな田んぼのはさかけにも、陽光が届いていました。

​四万川が深く谷に切れ込み、道路から一段下にある流れに沿うような四万温泉の集落。初めて訪れた四万温泉には土地感がないため、勝手に想像していた温泉街の通過が無かったのを惜しく感じながら奥へ。国道353は四万川ダムで終わり(つづきは新潟県側の湯沢町にあります)。ダムでせき止められた奥四万湖の一番奥にある渡仙橋の近くにある駐車スペース(約5台駐車可)をお借りして駐車しました。登山口は20mほど先にあります。トイレ等はありません。

​登山口からは朝の慣れない体にはキツイ第一ステージの急登ですが、道が電光状に付けられており、さほど負担なく登れます。やがて、これまでの斜面は終わって右に屈曲。尾根に乗って幾分傾斜が緩みます。第二ステージです。「緑の回廊・三国線」の看板を見て、なおも進めば、右下にカーブミラーが見えます。林道のようです。地図の黒実線は登山道から見えるほど近くを走っていません。ちょっと不思議に思いながら同じような傾斜を登ります。

​足元はおびただしいドングリの散乱。今年はよく実っているようで、熊も困らないだろうなと思いながら、1000mを越えたあたりから徐々に紅葉の世界へ突入。そうこうしていると樹間からなにやら特徴的なピークが。「あの、トンガリはひょっとして!?」そう、我々が目指す稲包山です。

​尾根を直線状に登りきると、さらに傾斜が緩みます。これが第三ステージ。人間が入れそうなぱっくり口を開けた枯れ木。大きな穴を空けた枯れ木に恐る恐る中を覗いたりと楽しめますが道中まだ長い。

​さほど変わらない緩やかな登りは、やがて赤沢山の前で左へ廻り込みます。左の笹藪に何か異変を感じながらもスタスタ進んでいると、急に前で唸り声が! 一瞬ひるんで後ずさり。姿は見えねど、熊に間違いありません。急いで熊除けスプレーを出すも、血迷った熊が突進してくるかも知れず、緊張の一瞬。幸い、熊は音もなく立ち去って事なきを得ました。

​赤沢山の向こう側に廻り込むと鞍部(赤沢峠)に東屋があります。ここは法師温泉との分岐点。みなかみ町側が望める場所でもあります。送電線が近いのが分かります。小屋で一休みの後、やや傾斜の急な登り。第四ステージの始まり。相変わらず深い笹が刈り込まれた道です。1479mのピークを越えて下ると鞍部にヌタ場がありました。ここからは少しのアップダウンはあるものの、歩き易い尾根筋。第五ステージです。歩き易いので時間が稼げます。数か所送電鉄塔の巡視路が分岐するので迷い込まないように要注意です。

​ムタコ沢への分岐も笹の中ですが、道標が立っています。ここで再度休憩。ここから30分間の第六ステージは山頂までの急登。一旦小さなピークがあり、テントが張れそうな小平地を通過。再び急登となって、これまでの樹林から一気に空に放り出されたような感覚。登って来た尾根筋や赤沢山が下になって、谷川岳も見えてきたら、そこは稲包山山頂でした。

​山頂は県境ではありませんが、これだけにょっきり突き出た山頂は展望申し分なし。標高は1600mとさほど高くはないため、北側にそびえる1700m代の山々や、白砂山方面の2000m級の山々が壁のような存在感ですが、ここが県界の分水嶺であることは間違いなし。昼食をいただいて、いままでみたことのない角度での山座同定を楽しみました。

​下山は往路を戻りました。奥四万湖の車に戻ったのは15時前。日の短くなってきたこの時季では十分な余裕とも言えませんが、道も紅葉も、展望もよかった今回のルートは、さほど疲れを感じさせませんでした。当然、四万温泉に寄って汗を流して帰路に着いたのは言うまでもありません。町営四万清流の湯(2時間500円)のお湯は無色透明。すこし熱めのお湯は最高でした。

群馬県中之条町 四万から稲包山
四万温泉上の奥四万湖の駐車スペースから稲包山往復
赤実線:歩行GPS軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

​主な通過時刻:
奥四万湖の駐車スペース 7:20
緑の回廊・三国線の看板 8:19
東屋(赤沢峠 法師温泉との分岐) 9:33
ムタコ沢への分岐 10:50
稲包山山頂  11:25 (昼食)
ムタコ沢への分岐(途中昼食) 12:20
東屋(赤沢峠 法師温泉との分岐) 13:19
緑の回廊・三国線の看板 14:28
奥四万湖の駐車スペース 14:52

​所要時間:7時間30分
総歩行距離:12.8km​
 

奥四万湖の渡仙橋の近くにある駐車スペースと
稲包山登山口

尾根の途中にある「緑の回廊・三国線」の看板

登山道から稲包山のピークを眺める

登山道から四阿山を眺める

登山道のと途中から浅間山を眺める

赤沢山北側の鞍部(赤沢峠)にある東屋
ここで法師温泉からの道を合わせる

尾根上から樹林の向こうに稲包山のピークを望む

稲包山山頂
360度の展望

山頂から北西側を眺める
白砂山、上ノ倉山など

山頂から登って来た尾根を見下ろす
三つ向こうのピークが赤沢山
右下の谷が四万温泉

山頂から谷川岳方面を眺める
左端は平標山
ほぼ中央に万太郎山

(雅熊)

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