​黒滝山不動寺からトヤ山

2021年10月24日 快晴 3名

投稿日 2021年10月25日​

10月24日は完璧な快晴となりました。1000mほどの山では紅葉にはまだ早いのですが、熊谷のYさんたちをお誘いして、西上州に出かけました。

今回登ったのは群馬県南西部、西上州の中間部北端にあるトヤ山という山です。山というより稜線の一ピークという感じで、あまり目立ちません。ご存じない人も多いでしょう。今回は、そのトヤ山に黒滝山不動寺から古い登山道を辿って登ってみました。不動寺は黄檗宗の古刹で、宿坊や座禅で有名です。

今回辿った古い登山道ですが、昔、不動寺から荒船山までの訳kmあまりをむすぶ登山道がありました。道標や、手すり、橋、木の階段、石垣などが整備された登山道だったようです。実際、不動寺の奥に「荒船山」を示す道標が今でも健在です。しかし途中の岩塔下部を巻くところが崩壊し、いまでは荒船山まで行くことは困難になっているようです。少なくとも一般向きではありません。

ただ、不動寺からトヤ山までは、登山地図上で破線の表記があり、歩かれているようですので、今回はその古い登山道の痕跡を辿り、途中のトヤ山までを歩いてみることにしました。

​不動寺からトヤ山までは、踏み跡は明瞭ですが、登山道だったころの道標は朽ち果てたものが多く、分岐が不明瞭な箇所もあるので注意が必要です。ところどころにかなり痛んだ木の階段、手すり、石垣などが残っています。稜線までは危険なところはありません。往路の中間部、P966の岩塔手前(現場では岩塔は見えない)で北側に巻きますが、斜面の巻き道は暗くて湿っぽく、消えかかって滑りやすくなっています。この巻き道は、P966にある帯状の岩塔が越えられないことによるものです。下山時、どんな岩塔か調べてみましたが、超えるには手ごわいようです。

​稜線まではところどころ展望もあり、明るい尾根筋を快適に歩けます。踏み跡もしっかりしており道幅も広いところが多いです。稜線に出ると再び荒船山を示す道標が残っています。その道標を見て右へ細道に入るとすぐに北側が開け、荒船湖や浅間山が見えます。そこからトヤ山までは10分ほどですが、はじめはドロ状の急斜面なので十分注意が必要です。特に下降時要注意です。

トヤ山山頂には大きな松の木が鎮座しますが、概ね好展望です。トヤ山は西上州の中間部の北端に位置するため、西上州のほぼ全域が見渡せます。また、北側の浅間山や北毛の山々、妙義、榛名、浅間隠、谷川岳など広範囲の展望があります。

​なお、途中で分岐している高原方面の道は2007年に崩壊箇所が発生し通行不能とのことですが、年数も経っているので機会があったら調べてみたいと思います。

群馬県甘楽郡南牧村 黒滝山不動寺からトヤ山
昔歩かれた荒船山までのハイキング古道をトヤまで辿ってみた
赤実践:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)

主な通過時刻:
黒滝山不動寺駐車場 8:41
高原方面分岐道標 10:06
トヤ山 11:23 (昼食)
高原方面分岐道標 12:59
黒滝山不動寺駐車場 13:52 

​所要時間:5時間
総歩行距離:8.8km​
 

黄檗宗の古刹 黒滝山不動寺
西月岩、中星岩、東日岩の三つの岸壁の下にお堂が並ぶ

不動寺奥の道標
荒船山を示している
昔登山道が荒船山まで続いていたが、途中の崩壊などで歩かれなくなり荒れている

道幅は広く快適
明るい尾根筋で、ところどころ展望もよい

ここでP966の岩塔を巻く
道が右下奥へと入っている
直進すると間違い
傍らに道標があるが朽ちている

P966の岩塔を巻く道
北側の暗い斜面をトラバースしていく道
道が消えかけているところがあり、​ドロ状で滑りやすい

トラバースの途中にある前原への分岐
前原への道は2007年に崩壊箇所が発生し通行不能らしいが

稜線に近づくとこのような手すりや石垣が現れる
盛んに歩かれた当時がしのばれる

稜線にある荒船山を示す道標
この右手の細道を登って稜線に出、トヤ山への急斜面が始まる

トヤ山山頂から
物語山とその奥に妙義山
さらに遠くに榛名山

荒船湖が見えている
鉄塔が立ち並び、送電線が稜線を越えている
左奥は浅間山
右遠くに浅間隠山

​手前に富士浅間山、御荷鉾からの稜線とその向こうに両神山

鹿岳(かなだけ)
遠くに甘楽郡の街並み

​(雅熊)

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