赤城山 五輪峠から出張峠
2021年09月29日 晴れときどき曇り 2名
投稿日 2021年10月05日
群馬県中央部に鎮座する赤城山には、多くの峠が存在するのをご存じでしょうか。赤城山は一時期高く成長しましたが、中腹から上が吹きとぶくらいの大爆発を起こし、さらに中央が陥没してカルデラ湖を作り、中央に地蔵岳の噴火があって今に至っています。そのカルデラの外輪山が大沼(おの)を取り巻いていますが、そこに内と外を結ぶ峠がいくつかあるのです。
八丁峠、軽井沢峠、姥子峠、鍬柄峠、鳥居峠、茶ノ木畑峠、牛石峠、五輪峠、野坂峠、出張峠などがそれです。今回はカルデラ湖の大沼の奥部(北岸)にある五輪尾根の峠、五輪峠、野坂峠、出張峠(でばりとうげ)を巡ってみました。その五輪尾根はゆるやかなアップダウンで、陣笠山、薬師岳のピークを持ち、その中に美しいハイキングコースが設定されています。
秋の紅葉にはまだ早い9月下旬。コロナの緊急事態宣言もどうやら終わりそうな頃。いつもの熊谷のYさんをお誘いして出かけました。高速を走行中の赤城山は、どこにあるかわからないほどモヤの中。近づいてくる台風16号の影響もあるのでしょうか。赤鳥居を過ぎて赤城山南面の裾のを登り水路横の県道4号を駆け上がって、ヘアピンカーブをいくつかこなすと大沼が見えてきます。幸い風はなく、空には青空がちらほら。たまに刺す陽光は暑いくらいです。
駐車場は黒檜山登山口に数台と、その手前に2,30台止められる大きな駐車スペースがあります。こちらは赤城神社に近いので参拝の人も使うのでしょう。しばらく車道を歩くと前橋市から沼田市の境界が五輪峠になっています。熊笹を分けて入ると、快適な尾根の径です。展望はあまりありませんが、時折、黒檜山、地蔵岳、大沼などが見える小径を快適に歩いて、陣笠山から薬師岳へ。薬師岳(1528m)が今回の最高点です。
薬師岳は展望が無いので長居せずに出張山へ。野坂峠は雰囲気のよい峠で、ここから20km先の沼田への古道が分岐しています。まぁ、沼田からとは言わずとも、船ヶ鼻口から船ヶ鼻経由で野坂峠を古道で訪れてみるのも趣があってよいかも知れません。
出張山はちょっと変わった名前ですが、「でばり」と読むそうです。ここは展望がよく黒檜山、大沼、隣の鈴ヶ岳がよく見えます。出張山で展望を楽しみながら昼食をいただき、クサリのかかる滑りやすい急斜面を少し下って出張峠に降り立ちます。出張峠で関東ふれあいの径を迎え、美しい雑木林の径を辿って東毛林間学校前から沼尻のキャンプ場で一休み。大沼湖畔の小径を歩いて赤城神社、駐車場へと戻りました。
赤城山というと最高峰の黒檜山に目が行きますが、大沼奥部を取り巻く五輪尾根も独特の趣があり、赤城山のよさが味わえます。道はハイキングコースとして整備されており、道標等はしっかりしています。アップダウンも大きくは無く、五輪尾根上には二か所(陣笠山手前と野坂峠)から湖畔に降りることも可能です。湖畔の沼尻キャンプ場にはトイレがあります。春の新緑、秋の紅葉の時季であればなおよいと思います。
群馬県前橋市と昭和村境 五輪尾根の五輪峠から出張峠ルート
駐車は黒檜山登山口近くの駐車スペースを利用
赤実践:GPS歩行軌跡
(国土地理院電子国土地図に情報追加)
主な通過時刻:
黒檜山登山口近くの駐車スペース 9:00
五輪峠 9:27
薬師岳 10:17
野坂峠 10:32
出張山 10:56 (昼食)
出張峠 11:19
沼尻キャンプ場 11:41
黒檜山登山口近くの駐車スペース 12:30
所要時間:3.5時間
総歩行距離:6.7km
五輪峠
熊笹の中の小径
薬師岳山頂
野坂峠
沼田への古道が分岐する
出張峠からの眺め
黒檜山と大沼
出張峠から東毛自然の家に向かう途中の雑木林
赤城神社付近から眺める五輪尾根
中央右寄りの最高峰が薬師岳
左の小さなピークが出張山
(雅熊)