西上州 四ッ又山と鹿岳 

2019年5月13日 晴れ 単独

投稿日 2019年05月14日

神成山九連峰からの四ッ又山(左)と鹿岳(右)

長かったゴールデン・ウィークも終わって世の中が落ち着いてきた今日この頃。新緑もだいぶ進んだようですが、人けの無くなった山を目指していざ出発。

今回は若いころ登った四ッ又山と鹿岳(かなだけ)です。西上州(群馬県南西部)と言えば、その玄関口に在ってひときわ目立つこの山です。四ッ又山は一目にてその名前の由来がわかる、分かりやすい山。山頂部が同じくらいの高さの4つの峰で構成されています。鹿岳は鹿の角(とくに生え換わってしばらく経ったころの)に似ていることからの命名でしょう。岩峰の多い西上州でもひときわ目立つ存在です。

四ッ又山の4つの峰(P1からP4)にはそれぞれ石像や石祠が祭られており、烏天狗や修験道の像らしきものがあることから修行の場として古くから信仰されてきたものと思われます。とくにP1には石像のほかに二等三角点が設置されており、標高は899.68mです。点名は横岩となっています。

鹿岳は二本の角の様に見える岩塔です。四ッ又山に近い方が一ノ岳。もうひとつが二ノ岳です。今回は二ノ岳には登りませんでした。一ノ岳は約920mくらい。二ノ岳は1015mくらいで1000mを越えています。いずれにも登ることができます。

四ッ又山と鹿岳の間は稜線伝いの道です。急斜面や痩せ尾根の連続ですが、要所要所にロープが張られており問題なく通過できます。ただし時間をかけてゆっくり歩くべき領域です。

道の駅オアシス なんもくから風早尾根で四ッ又山、
鹿岳を経由して高原に下るルート
駐車は道の駅の駐車場をお借りした
緑破線:予定ルート 赤実線:歩行GPS軌跡
(国土地理院の電子国土地図に情報追加)

通過時刻:
道の駅オアシス なんもく 9:55
小沢橋 10:00
不動の滝  10:26
ゼンメイアタマ 11:11
天狗峠 11:30
四ッ又山P1 12:01 (昼食) 12:10
四ッ又山P2 12:18
四ッ又山P3 12:24
四ッ又山P4 12:30
マメガタ峠 12:57
鹿岳のコル(前原下降点) 13:49
鹿岳一ノ岳 13:58
鹿岳のコル(前原下降点) 14:09
前原の登山口 15:14
大久保(マメガタ峠登山口) 15:34
黒滝山不動寺への分岐 15:47
道の駅オアシス なんもく16:18

所要時間:6時間20分
総歩行距離:11.1km

車を群馬県南西部 南牧村、いわゆる西上州に進めます。下仁田から県道45号 下仁田上野線を走ると、南牧川にかかる赤い小沢橋が見えてきます。その先300mほどに道の駅オアシス なんもくがあります。小規模ながら綺麗な道の駅で県道に沿って駐車場があります。隅に駐車させていただきいざ出発。

道の駅オアシス なんもく
トイレは勿論、水道やベンチもありオアシス的

南牧川にかかる小沢橋
渡って右に進むとパーマ屋のある角に四ッ又山への案内看板がある

少し戻って小沢橋を対岸に渡り右折。道祖神を見てパーマやの角を曲がります。四ッ又山への案内看板があります。いきなりの急な舗装道路で汗が出ます。民家がなくなって沢筋に入って行くと浄水施設があり、その先に〆縄が張ってあります。ここから神界のようです。

少し草深い道ですがすぐ不動の滝がわずかな水を滴らせています。石垣が組んであってその上が何段か小平地になっています。民家でもあったのでしょうか。一番上の小平地の右奥へ入って行きます。少し急になって小尾根に乗るとそこは巻き道との分岐です。この巻き道は天狗峠まで行っているようです。

天狗峠
大久保への道が降りている 小沢は登って来た道
下郷(宮室)への道は廃道になっているようだ

右の急斜面を登るとゼンメイアタマです。こんもりした小ピークで特に何もありません。ゼンメイアタマからやや下っていくと石の座像があり、更に下ると天狗峠です。巻き道が合流しています。大久保にも下れるようです。峠の少し上に小さな天狗象のような石像と「大天狗」とかかれた石碑があります。小さいものです。

ヤマツツジ
山内のところどころを朱に染めている

峠から急坂を上って行くとヤマツツジが混ざるようになり、新緑の中に朱が綺麗です。低木の自然林を快適に高度を上げます。P2、マメガタ峠への分岐があると、その上がすぐ四ッ又山のP1山頂です。かわいい石像が迎えてくれます。二等三角点があります。標高は899.68mです。隣のP2が手に取るようです。大桁山、鍬柄岳、神成山九連峰、稲含山や富岡方面の街並みが見えます。鹿岳も大きく見えています。少し霞んでましたが妙義山や高岩などの奇岩の山々も見えています。

四ッ又山P1山頂
石像が鹿岳を眺めている
左端に二等三角点がある

一旦さきほどのP2、マメガタ峠方面への分岐に戻ります。狭くて急な斜面です。ロープが張ってあります。一旦鞍部に降りて少し登り返すとP2です、手前に烏天狗象があります。ピークにはここにも石像があります。

戻って更に進むとP3です。ここにも石像が立っています。更に進むとP4。石祠があります。P4からは急な斜面をかなり下ります。マメガタ峠は広い場所です。昔あった道標は消えて無くなっています。いまは何も案内板はありません。

鹿岳
一ノ岳(左)と二ノ岳(右奥)
一ノ岳の基部をへつって両峰の間の鞍部に出る
高原への下降路は一ノ岳の基部にある

マメガタ峠から急坂を登ります。一段登ったところからかなり近づいた鹿岳が勇壮な姿で現れます。手前の一ノ岳の東面は垂直の岩壁です。道は一旦一ノ岳の基部をトラバースするように巻いて行きます。分離した大岩と一ノ岳の岩壁との間をロープでのり越え、少し進むと二ノ岳との鞍部に至ります。稜線上を少し戻る形で一ノ岳に近付くと高原への下降路があります。そこに荷物を置いて、一ノ岳の山頂に向かいます。5分ほど急登すれば山頂です。二ノ岳のほうが少し高く隣に聳えています。

一ノ岳の基部にある取り付き点
ここから右下に下ると高原

鹿岳一ノ岳山頂
石碑の向こう側は絶壁

先ほどまで居た四ッ又山やシレイタ山、小沢岳、西上州の山々が見えています。下に見えている集落は上高原でしょうか。慎重に戻って荷物を拾い高原に下ります。急斜面ですが道は電光に付けられています。滑りやすいので要注意です。樹幹に一ノ岳の岩壁が見え隠れ。その高さにびっくりです。植林帯に入って沢に水が流れるようになると高原に降り立ちます。

高原の登山口に降り立った
登山届ポストと水道がある
車道を少し下ったところに広い駐車場がある

高原の登山口にある水道で手や顔を洗いさっぱりして、林道を大久保、塩沢へとのんびり歩き、小沢橋から道の駅に戻りました。

四ッ又山や鹿岳はセットで登られたり個々に登られたりするようですが、殆どの場合大久保や高原から登ることが多いようです。そのせいか、小沢橋から四ッ又山への風早尾根の道は少し荒れ気味で、道標は登山口以外まったくありません。

今回のルートのハイライトは何と言っても四ッ又山の四峰を渡ることと、鹿岳からの大展望ですが、四ッ又山から鹿岳に至る稜線もなかなかオツです。この時季新緑の中にヤマツツジの朱が点々とあり、露岩の道はなかなか楽しめます。ただし急な場所もあるので気は抜けません。要所要所にロープが張ってるので安心です。

今回は出発が遅くなり、午後から雷との予報も出ていたので鹿岳の二ノ岳は諦めました。機会を見てチャレンジしたいと思います。

(熊五郎)

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コメント(2)

  • 躑躅が鮮やかですねえ。緑がまたきれいだ事。 2019/5/14(火) 午後 7:10
  • > agewisdomさん 山は今が一番いい季節ですよ!(熊五郎) 2019/5/14(火) 午後 10:03

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